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ビジネス・経済・キャリア

成功者?成幸者?違いは何だろう? : 成功者と成幸者(本)

成功者と成幸者
成功者と成幸者(本)

上村光弼,
発売日:2004/12/07

2008/6/15 まぁちゃんベスト77レビュアー

5点

「成功者」と「成幸者」。いったい何が違うのでしょうか?

「功」とは「成し遂げた仕事や功績」を意味しています。

「幸」とは「思いもよらぬ運に恵まれること」を意味しています。

あなたは「功」に成りたいですか? それとは「幸」に成りたいですか?


本書では、成功者は目標達成をすることだけにエネルギーを注ぎ、成幸者は目標達成することも大切にし、さらにその先にある幸せになることにもエネルギーを注いでいる。


どちらの人生を歩みたいだろうか?


そんな問いを感じる1冊です。

何か特別な答えは書いてありません。

それは自分で発見する楽しみを与えてくれているからなんでしょうね。
  2 人中、2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

人脈とは何か? : 人脈の教科書~図解フジマキ流シビれる人生をつくる~(本)

2008/6/6 まぁちゃんベスト77レビュアー

5点

人脈≠友達だと藤巻さんは言う。

ビジネスにおける人脈とは「笑顔で付き合っていても、懐にはいつも刃をしのばせているような、そしてその間合いをよくわかり合っている関係」だという。

さらに「お互いを認め合う気持ちが働いている。互いを認め合う、一種の緊張感や尊敬の念が介在する関係」なのだそうだ。

なるほど。

人脈を作るためにはまず自分を高めることが大切で、その上で周りの人たちと積極的に関わっていくことが大事だということがわかりました。

その時にちょっとしたコツがあるのです。

そのコツを惜しみなく紹介してくれています。

・人脈は「利用」するものではない。

・人脈は自分を大きく見せるための道具ではない。

ということを心に刻んで志のある仲間とお付き合いをしていきます。

藤巻さん。ありがとう!
  2 人中、2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

人脈とは何か? : レバレッジ人脈術(本)

レバレッジ人脈術
レバレッジ人脈術(本)

本田 直之,
発売日:2007/12/14

2008/6/6 まぁちゃんベスト77レビュアー

5点

著者の本田さんの人脈の定義は

「情報を交換したり、人を紹介したり、刺激しあったりして、一緒に成長していけるようなマインドの高い仲間のこと」

だという。

そして人脈作りの大前提は「相手の時間価値」「相手の情報価値」「相手の人脈価値」を理解し尊重することが鍵となります。

僕が唸ってしまった部分は「人脈作りの6つのタブー」です。

名前も言わずにお願いする、相手の都合を考えないアプローチやコンタクトをする、自分の話しかしない、意味のない紹介をする、「お願い」ばかりをする、「メンター」になることを依頼する。

僕も含めて人脈を勘違いしている人は多かったのではないでしょうか。

今からすぐに実践できる内容もあるし、これから大切に育てていく必要がある内容など人脈に関する様々なノウハウにあふれた1冊です。

しかも論理的でわかりやすいので人脈に興味がある方すべてにおススメです。
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未来は見通せていた : 悪夢のサイクル―ネオリベラリズム循環(本)

2008/5/28 くまベスト39レビュアー

5点

著者は、30年スパンで世の中を見ないといけないという。日本は格差社会になった。それはこの15年間で劇的に変化した。内橋氏はそのような社会が生まれた原因を世界史的な観点でとらえなおす。

そうすると、アメリカ、南米などで起こったことを見ていくうちに氏は「新自由主義循環」あるいは「市場原理主義の循環運動」があることに気がつく。それがいま日本に向かってやってきているのである。内橋氏は95年の段階で、明確に現代の日本を見通していました。なぜならそれはすでに世界で起きていたことだったから。


なぜ私たちは、ルール変更を受け入れたのか。

市場原理主義の起源はその経済思想の根拠はどのようなものか。

中南米で起きた「ネオリベラズム・サイクル」はどのような結果になり、何を教訓とするのか。

平和の問題とどのように関係するのか。

もうひとつの日本は可能か。…というようなことが展開されています。目から鱗の部分がたくさんあります。
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現場、現実をよく踏まえた内容であると思う : 美容院と1000円カットでは、どちらが儲かるか?―できるビジネスパーソンになるための管理会計入門!(本)

2008/5/28 nyベスト19レビュアー

5点

タイトルは「売らんかな」のハウツービジネス書のように思えるが、中身は
なかなか工夫された会計の本。現場、現実をよく踏まえた内容であると思う。

読めば分かるが、美容院と1000円カットの店のどちらがより儲かるかと
いう議論をしているわけではない。限界利益の大きな製品ばかり製造しても
会社の利益が最大になるとは限らないと言うことを説明するための事例である。

管理会計の本ではあるが、ERPシステムの本質について見事に説明している
前半部分も一読に値する。ERPシステムの本質システムのメリットと限界に
ついてここに書かれていることをはっきり理解してる経営者はもとより、経理、
ITコンサルタントも必ずしもたくさんいるわけではないのではないかと思う。
  4 人中、4 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

それでも素人がウソを見破るのは難しい : 議論のウソ (講談社現代新書)(本)

議論のウソ (講談社現代新書)
議論のウソ (講談社現代新書)(本)

小笠原 喜康,
発売日:2005/09

2008/5/25 3.14カラットのダイアモンドベスト13レビュアー

5点

最近はさすがに「少年犯罪の凶悪化が進んでいる」と言う人をテレビで見かけなくなったが、「日本人の学力が低下している」はいまだに定説のようである。

マスコミに携わる言わば情報の読み手のプロたちでさえ、本書が取り上げているウソを単純に信じ込んでしまう(と言うより何の検証もしないというべきか)訳だから、我々のような素人がこの手のウソを見破るのは簡単ではない。本書などの手助けが必要である。

最近、『〜のウソ』とか『〜を疑う』と言ったタイトルの出版物を目にする機会が多くなったのは、マスコミによる報道やそれらによって作られた定説を単純に信じ込むべきでないと思う人が増えてきたせいだろうか?
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市場開放を積極的に展開しながら、支配には敏感な中国 : 老いはじめた中国 (アスキー新書 049)(本)

老いはじめた中国 (アスキー新書 049)
老いはじめた中国 (アスキー新書 049)(本)

藤村 幸義,
発売日:2008/02/12

2008/5/20 naonao-703ベスト70レビュアー

5点

今の中国の成長を思うと、このタイトルがそぐわないように思う。
が、その戸惑いを払拭させ納得させる本の内容だった。
新書という限られた枚数にも関わらず、今の中国とこれからの中国の課題が、
各章毎にまとめられていて分かり易い。
もちろん自分が知らなかった中国の体制(定年が一般女性は50歳、男性は55歳など)も、この本から知ることとなった。
教育体制が旧態依然のところが多く、産業の高度化に対応出来る人材を大学側が供給出来ない。
よって一般労働者は不足しているのに、大学生は余っている。
三峡ダム建設による環境破壊は、長江の水質汚染や地滑りの危険性だけではない、
急激な開発を原因とした局地地震が起こる可能性も指摘されて、
香港の中国人権民主運動情報センターは、
2005年に三峡ダム周辺で向こう3年間に強い地震が起きる可能性が極めて高いと警告している。
など、下手な時事本より、この本1冊で中国を知れる。
  3 人中、2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

待ってました!会計漫画! : マンガ 餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?(本)

2008/5/19 まぁちゃんベスト77レビュアー

5点

会計ってややこしいし、本を読んでもチンプンカンプン。

会計の基本を学べるマンガをずっと探していました。

ようやく本書にめぐり合うことができました。

「絵」で説明してもらうと理解力が高まります。

主人公の由紀がデザイナーから経営者に変わり倒産目前の会社を立て直していくストーリーも面白い。

飽きずに読み勧めることができます。

会計に関してはその道のプロに仕事を依頼するのが大切ですが、経営を判断するのは経営者のです。

数字が読めることは経営者の必須のスキルなんだと確信しました。

会計から会社の動きをすることはダイナミックでワクワクすることですね。

将来、起業をしたい方、起業されて間もない方には、ぜひぜひおススメな1冊です!
  7 人中、6 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

そのうち、後で?いやいや、「今読むべき」名著、が身近にありました : ビジネス脳を磨く (日経プレミアシリーズ 6) (日経プレミアシリーズ 6)(本)

2008/5/14 佐倉ごるふベスト18レビュアー

5点

シンプルな表紙で、地味な体裁の新書です。
冒頭から読み始めると、「なんだかわけのわからん、たとえ話が登場するし、
各章のタイトルも気をつかったのか、変なのばっか。こりゃ、失敗したかな?」と思って
読んでいきましたね。

「なんだ、ビジネス社会の競争を生き抜くノウハウを書いた本じゃないのか」と。
でも、そんな低レベルな内容ではなく、逆に、驚嘆すべきメッセージが入っていましたねえ。

古い工業化社会の思考フレームで、凝り固まった私には、当初、この本が言っている
ことは、ほとんど意味不明でした。文章は平易なのですが、逆に、平易だからこそ、
もっと説明してもらわないと、何を言っているのかわからなかったのです。

しかし、最後まで読み終えて、すっかり変わりました。効率化、工業化が終焉し、その教育方法も
時代に合わなくなった昨今。IT革命で情報の洪水になったこの、今の社会は、
「同じインプットでも、アウトプット、解が同じとは限らない」「解がないかもしれない」社会。

そういう潮流で、ビジネスは?あなたは?何を、どう磨き、向上していくべきなのか?

POP広告の話やDVDを売るクリーニング店など、身近な話題お織り込みながら、時代を画し、
元気が出る、いきていく「道(タオ)」のありか、を示唆する、名著です。

エピローグでは、著者が本書を上梓するきっかけになった、ある有名な話が語られるのですが、
読めば感激すること、間違いないです。迷いつつ、自分の仕事や毎日を暮らしている、すべての方に
お奨めします。
  6 人中、4 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

かなりの出来栄えです : ゼミナール ゲーム理論入門(本)

ゼミナール ゲーム理論入門
ゼミナール ゲーム理論入門(本)

渡辺 隆裕,
発売日:2008/04/08

2008/5/13 Notre Dameベスト61レビュアー

5点

 経済学のみならず法律、経営学などにも応用されて今やマイクロ経済学のテキストではゲーム理論が一般均衡理論に取って代わって主役を担っています。然し、これまで出版されていたテキストは何か物足りなく、抽象的、あるいはサッパリ内容がわからなくて途中で挫折してしまう人が多かったような気がします。然し、本書はそう言うことを全くと言って良いほど払拭してくれるテキストです。これでもかと言うほど丁寧に解説されています。かといって手は全く抜いていないところが驚嘆に値します。経済学のみならず社会科学を学習している人にも充分に読みこなせる内容になっています。入門とつくものでここまで丁寧でしかも高度なところまで持ってくれるテキストは他にありません。ゲーム理論を学習するなら必読です。巷に流布するゲーム理論の本を読むのならば本書を強く薦めます。
  25 人中、24 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

トヨタ高収益の秘密 : あなたの知らないトヨタ―利益1兆円のもとで何がおきているのか(本)

2008/5/11 sonojordanベスト26レビュアー

5点

トヨタが空前の高収益を上げている。
よく聞かれる話は下請けイジメのおかげでもたらされた利益などなど・・・
実は輸出にかぎってのカラクリがあることはほとんど知られていない。
ある工業製品がある国では安く買えて、ある国では高くなってしまう。これは購買力平価という為替相場によって左右されるのであるが、日本が政策的に円安を維持しようとしているとなるとどうなるか?
トヨタ車を含む国産車や外国においては安く買えてしまうことになる。では国内ではどうなるのかというと、外国よりも不当に高い買い物をさせられていることになってしまうのだ。これによりさらに国内の景気を低迷させる要因になっている。
諸外国においてはトヨタ車は安くて品質が良いという理屈は実は日本の円安政策がそうさせていたことになる。
しかも輸出に関しては消費税をかけられないから血税でもってトヨタに補填されている。輸出すればするほどトヨタは儲かってしかたがないわけだ。これが高収益のカラクリである。
このような政治主導の大企業優遇税制は昨今の法人税率低減と庶民の高負担が物語っている。
下請けのみならず国民を食いものにしている会社がトヨタなのだ。
  16 人中、13 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

本書などによって知識を仕入れるしかない分野 : 統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか?(本)

2008/5/7 3.14カラットのダイアモンドベスト13レビュアー

4点

例えば、厚労省が発表する平均初婚年齢は提出された婚姻届を元に算出されるので、生涯未婚の人のことは考慮されない。そのため、我々の実感と乖離したデータになってしまうとのことだが、マスコミが、そう言ったデータの算出方法や意味合いまでも報道することはないので、本書などによって知識を仕入れるしかない。

シンクタンクがマスコミ受けするデータしか発表しないと言う指摘も、常に心に留めておく必要があるだろう。
  15 人中、15 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

日本経済界へのカンフル剤となるか? : モノづくり幻想が日本経済をダメにする―変わる世界、変わらない日本(本)

2008/5/6 sonojordanベスト26レビュアー

5点

週刊ダイヤモンドの連載コラムを加筆しまとめたものが本書だ。
筆者の知り得る限りだが、著者ほど実直で過激な論客はいないとおもう。
筆者の思うところだが、著者が言うところの「モノづくり幻想」を抱いている製造業とは松下(パナソニック)を代表とする「水道哲学」を未だに信仰している企業、それら大手企業への警鐘ではないかとおもう。具体的な固有名詞を使うことで連載中止が懸念されるためにそれらを伏せているのだろう。
現実に製造業が陥っているコスト対策を雇用問題(労働者と社会保障含む行政など社会全体のインフラ)や政治問題(金融政策、税制、規制緩和)と深く結びつけて批判している。
中でも「現状維持が目的」と化したような官僚主義的な民間企業のイノベーションへの取り組みなど、思わず苦笑するしかない洞察力には屈服するしかない。
実名報道(批判)の旗手が佐高信なら匿名報道(批判)の旗手は野口悠紀雄ではなかろうか。
  3 人中、2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

「構造=集合+相互関係」という話は人間組織でも同じ : 不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書 1926)(本)

2008/5/4 ゴルゴ十三ベスト67レビュアー

4点

行き過ぎた『成果主義』ゆえにギスギスしてしまった職場。"数字で見えるモノ"(個人業績)にしか集中できなくなってしまった為に、"数字で見えないモノ"(組織内外の協力関係)が疎かになり組織全体としてウマく回らなくなってしまう笑えない悲劇(→「内側から見た富士通『成果主義』の崩壊」(城 繁幸)に詳しいですね)。数学(複雑ネットワーク)における「構造=集合+相互関係」という話は人間組織においても当てはまる訳で、いくら優秀な個を集めても各個人の間のナチュラルな協力関係(ケミストリー)が働かないとチームとして機能しないのは明らかです。そこで如何にこのケミストリーを取り戻し、働き甲斐のあるワクワクする職場を作るかということに主眼を置いた本です。
「役割構造」「評判情報」「インセンティブ」という3つのframeworkによる協力関係の解析(第2章)、社会心理学的な視点(第3章)は「そういう風に言語化ができるのか!」という意味で参考になりました。他の内容は既に他書で読んだ内容とかぶっていたので、特に新規性はありませんでしたが。(→例えば「私たちはどうつながっているのか」(増田直紀),「ピープルウエア」「ゆとりの法則」(デマルコ), 「部下を動かす人事戦略」(金井寿宏,高橋俊介),「リーダーこれだけ心得帖」(阪本啓一))
結論としては「感謝と認知のフィードバック」が重要とのことで、確かにそうなのですが、そんな綺麗事だけでは済まないというのが実際ではないでしょうか。具体例にあるような会社(Google)は、応募する人間のレベル・人選の部分で既に他の一般企業とは違うのです。本当に実力もなく高潔な意図もなく「自分さえ良ければ他はどうでも良い」という輩は時折存在しえます(→ 一種の"パレートの法則"?)。このような性善説だけでは通用しないケースにどう対峙するかの解答は本書にはありませんので、個々のケースにおいては工夫(or"再配置"の決断)が必要だと思います。
  9 人中、7 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

次の段階として : 管理会計(本)

管理会計
管理会計(本)

桜井 通晴,
発売日:2004/04

2008/5/3 Notre Dameベスト61レビュアー

5点

 結構な厚さの管理会計のテキストです。ですから予め入門書などで基礎知識を得た上で読んだ方が良いかもしれません。けど、入門書では物足りない人にはいきなり本書を読んでも充分に理解できます。豊富な事例、数値例を挙げて管理会計を詳しく解説しています。分量がありますので、痒いところにも手が届く内容になっていますから実務家にも重宝するものと思います。商学部で管理会計を本腰入れて勉強したい人にはうってつけの本だと思います。まだ、アカウンティングスクールが本格化してない時に執筆されていませんからある意味、学部向けに書かれたレベルの高いテキストだと思います。けど、理解しやすい。これが本当のテキストと言うものです。
  16 人中、16 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

退屈しているヒマなど、僕には一生ないと思う : 顔―Faces(本)

顔―Faces
顔―Faces(本)

葉加瀬 太郎,
発売日:1998/06

2008/5/3 くろやぎベスト93レビュアー

4点

 バイオリニスト葉加瀬太郎が30歳の時に書いた「秘密の芸術メモ」です。

 本書のカバー見返しに載っている10年前の葉加瀬さんの写真を見ると、今の葉加瀬さんとは180度印象が違います。音楽家として活躍していて、今より相当とんがっていたようです。

 そんな葉加瀬さんのバイオリニストとしての顔、作曲家の顔、画家としての顔、ひょっとしたらシェフになっていたかもしれないというほど料理好きの顔を見せてくれるのが本書です。

 冒頭で葉加瀬さんは「男が必死で何かに取り組むときの動機というのは、(中略)女の子にモテたかったから」と、自分の情熱の源を明かしています。バイオリンを習いはじめたのも、うまくなりたいと思ったきっかけも、同級生の女の子がバイオリン教室に通っていたからです。

 コンクールで西日本の2位になったことから、ますますやる気になり、葉加瀬少年は芸大を目指す若者が集まる堀川高校に入りました。音楽漬けの毎日がはじまり、芸大に入ってからもオーケストラを掛け持ちして演奏し続けました。
 充実した生活が一段落した頃、葉加瀬青年は作曲やバンドにはまり、普通の芸大卒業生と違う道を歩きはじめます。

 自分の歩んだ道を振り返りながら発する葉加瀬さんの言葉は、自信と教訓に満ちています。

たとえば、次のような言葉です。
 「好きなことをやっていられるのは、むしろアマチュアだ」
 「創意工夫のネタは、まわりにいくらでも転がっている」
 「退屈しているヒマなど、僕には一生ないと思う」
 「自分のなかにある『表現したいもの』が根っこの部分に
   なければ、表現する資格がない」
 「自分を感動させることができないような人間には、
  人を感動させる芸術など作れるはずがない」

 今は3枚目でテレビに登場することの多い葉加瀬さんが、本当はすごい芸術家だったことが納得できる一冊でした。
  1 人中、1 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

デジタルよりアナログのほうが優れている?! : 情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」(本)

2008/5/2 くろやぎベスト93レビュアー

4点

 著者の奥野さんは業界紙の記者です。
 取材メモの整理と原稿作成に苦労しながら自分なりの工夫を重ねた結果、奥野さんは「一冊にまとめるほうが、結局うまくいく」という結論に達しました。

「すべての情報をノートパソコンに入れる」という人に真っ向からぶつかる主張を展開する自信はどこからくるのでしょうか。
 著者は「これまでの情報整理術ではうまくいかない」理由を、「マネできないから」とバッサリ切り捨てました。

 これは痛快!!
 でも、いいんですか奥野さん。こんなこと言っちゃって。

「いいんです!!」と言わんばかりに奥野さんは続けます。

 まず、成功者や組織のリーダーは特別に自律心が強い。
 彼らはとにかく、コツコツ努力することに慣れっこです。慣れすぎて、もう頑張るのが息をするのと同じだから「簡単です。誰でもできますよ」で済ませてしまう。(中略)コツコツ努力できる人の方法をいきなりマネすると、大きな苦痛が伴うのです。

 というわけで、本書は成功者や組織のリーダーのように特別な人でなくても、誰でもできる! 方法を提案しています。

 その方法は、「A6サイズのノートに何でも書く、何でも入れる」ということです。
 誰と会ったか、どんなことを話したか、旅行先の印象、思いついたアイデア、スケジュール予定、……etc.
 なんでも、ぜ〜んぶ入れておく。ついでに、サイフやケータイを忘れた時のために、ポケットを作って千円札数枚とテレホンカードを入れておく。

 何でもかんでも放りこむと言うと何の工夫もなさそうに聞こえますが、そこは情報整理で苦労した著者です。放りこ込みかたに工夫があるのはもちろん、後で書いた物、貼ったものを参照しやすいように、何年何月何日にどんなメモを書いたかをパソコンで整理しておく、というデジタルとアナログの融合を提案しています。

 これ、使えそうですよ。
  12 人中、8 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

自堕落な生活と妄想癖が「芸」の領域に突入 : 生きていてもいいかしら日記(本)

生きていてもいいかしら日記
生きていてもいいかしら日記(本)

北大路 公子,
発売日:2008/01/26

2008/5/2 くろやぎベスト93レビュアー

4点

 1つ3ページの小話を集めたエッセー集です。
 読み始めて3ページで、「ん?」と思いました。
 6ページ読んだところで「クスリ」とし、12ページで大笑い。
 20ページ読んだあたりで、この人の文章力に脱帽しました。

 これはいい人を見つけた!


 著者は40代独身女性で、札幌市内で親と同居。
 好きなもの、昼酒。
 座右の銘は「好奇心は身を滅ぼす」。
 職業はライターという一種のプータローで、ときどき引きこもりしては社会復帰を繰り返すというトホホな生活を送っています。

 いいとこなしのキミコさんの日常は、とくに大きな事件は起こりませんが、なぜか笑えるネタが転がっています。

 昼間の回転寿司で楽しくビールを飲んでいたら、となりに座ったじいさんに説教された、とか、
 トイレ掃除をしていて、うっかりボタンに触ってシャワートイレの水を頭からかぶってしまった、とか
 2年も会っていない友人から涙ながらに「話があるから来て」と電話を受け、行ってみたら30万円もする鍋を売りつけられそうになった、等々。

「何もない一週間だった」という書き出しではじまっても、本屋のトイレの前で大学生くらいの女の子が「私、妊娠したかも」と涙ながらに男の子に告白している場面に出会ったりします。
 一瞬で状況を理解したキミコさんは、三角関係の女の子がもうすぐ現れるにちがいない、と想像力をはたらかせました。立ち読みしながら三角関係の女の子を待っても、だれも現れないのですが、待っているあいだに、このあとの二人の修羅場の様子にまたもや想像の翼を広げます。

 キミコさんのこの妄想癖は、自堕落な生活の様子と共に、一種の「芸」の領域に突入しています。たとえて言うなら、ちびまる子ちゃんがそのまま大人になったようなものでしょうか。

『サンデー毎日』の連載エッセー。大人気だそうです。

 私からも、超お勧め!!
  2 人中、2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

人間は基本的に怠け者だから時間がいくらでもあると思うと無駄な時間が増えるだけなのだ : デッドライン仕事術 (祥伝社新書 95)(本)

デッドライン仕事術 (祥伝社新書 95)
デッドライン仕事術 (祥伝社新書 95)(本)

吉越 浩一郎,
発売日:2007/12/15

2008/4/28 丁三ベスト79レビュアー

4点

ビジネス紙で著名なトリンプ社の元社長、吉越氏のタイムマネジメント論である。
エッセンスは題名の通り、すべての仕事には締め切りを入れよ、ということである。

 仕事のアウトプット=能力×時間×効率

という式に従うならば、個人の能力は一定だし、仕事時間が延びるほど疲れて効率は下がるものだから、時間を一定にして効率を最大化するしかないのだ、というのが吉越氏の主張である。しかしそうはいっても、現実にはどうしても時間内に仕事が終わらない。その原因として吉越氏は以下を挙げている。

 ・必要のない仕事を一生懸命やっている。
 ・集中して仕事のできない環境に置かれている。

前者はたとえば、社内向けのプレゼン資料や上司への報告など。後者は、割り込みや雑談の多い職場や無駄な会議がそれにあたる、という。吉越氏はトリンプの社長時代、残業が多い職場はボーナスをカットする、とか、毎日決められた時間には電話を取り次がないとか、かなりドラスティックな施策を実施したそうだ。「命ぜられた仕事をしあげる場合、 時間はいくらあっても余るということはない」というパーキンソンの法則というものがあるが、吉越氏も、

 「人間は基本的に怠け者だから時間がいくらでもあると思うと(中略)
無駄な時間が増えるだけなのだ」p5

と書いていて、基本的なスタンスは同じである。
ホワイトカラーの生産性をあげる、ということを経営者の視点から書いているので、マネージャクラスにはおおいに参考になるが、現場で毎晩毎晩残業している一担当者に救いの手を差し伸べるようなものではない。むしろ現場の担当者にはとても厳しい自己管理を要求している。

欧米での経験が長く外資系企業で活躍してきた吉越氏の考え方は、トップレベル2割の従業員にはともかく、大半のごく普通の従業員にとっては「そんなこといわれても・・・」というのが正直なところだろう。吉越氏の思いとは逆に、時短の問題はやはり労働者個人でなんとかできるようなものではなく、トップダウンで断行しなければできないものなのかもしれない、と感じた。
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アメリカという社会の恐ろしさと悲しさ : グローバリズムという妄想(本)

グローバリズムという妄想
グローバリズムという妄想(本)

ジョン グレイ,
発売日:1999/06

2008/4/27 recluseベスト66レビュアー

4点

1998年にアジア危機直後に出版された作品です。というわけで当時から気にはなっていた作品です。なんといってもちょうどそのころ読んだisiah berlinについての著作もある著者ですから。でも最初は別人と誤解していました。だって何でberlinの哲学を解説する人物がglobal capitalisamについて本を書くのか信じられなかったからです。しかしどういうわけでしょう。決して手にとって読むことはありませんでした。邦訳本の紹介の仕方が気に入らなかったからでしょうか?それとも私自身が、このglobalisationの流れへある意味、愛憎半ばする感情を抱いていたからでしょうか。というわけで、今年どういう風の吹き回しか、読み始めた著者の作品の中でも最後に読む羽目になってしまいました。2007年の金融市場の危機の本質がここでは予言されています。もちろん危機の直接の触媒を予測することは不可能です。でもアメリカのシステムが決して維持できないことは見事に解明されています。そしてそのような危機の下ではアメリカ自体が急変することも。時間のない方は、2002年の再版時に付け加えられたpostscriptを読むだけでいいでしょう。ここでは、その後の進展をも含めて、本書の見事な要約になっています。マルクス主義と新自由主義の共通点が見事に分析され、アメリカ自体が自国の問題に気がつかない限り、決してglobal free marketの問題は解決しないことがリアリスティックに指摘されます。そして歴史の長い射程の中では、このglobal free marketのイデオロギーも必ず忘れ去られ、歴史の記憶の空白の彼方に飲み込まれてしまうことをして指摘して本書は締めくくられます。
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