新書・文庫
それでも素人がウソを見破るのは難しい : 議論のウソ (講談社現代新書)(本)
2008/5/25 3.14カラットのダイアモンドベスト13レビュアー
最近はさすがに「少年犯罪の凶悪化が進んでいる」と言う人をテレビで見かけなくなったが、「日本人の学力が低下している」はいまだに定説のようである。
マスコミに携わる言わば情報の読み手のプロたちでさえ、本書が取り上げているウソを単純に信じ込んでしまう(と言うより何の検証もしないというべきか)訳だから、我々のような素人がこの手のウソを見破るのは簡単ではない。本書などの手助けが必要である。
最近、『〜のウソ』とか『〜を疑う』と言ったタイトルの出版物を目にする機会が多くなったのは、マスコミによる報道やそれらによって作られた定説を単純に信じ込むべきでないと思う人が増えてきたせいだろうか?
マスコミに携わる言わば情報の読み手のプロたちでさえ、本書が取り上げているウソを単純に信じ込んでしまう(と言うより何の検証もしないというべきか)訳だから、我々のような素人がこの手のウソを見破るのは簡単ではない。本書などの手助けが必要である。
最近、『〜のウソ』とか『〜を疑う』と言ったタイトルの出版物を目にする機会が多くなったのは、マスコミによる報道やそれらによって作られた定説を単純に信じ込むべきでないと思う人が増えてきたせいだろうか?
100の場面での英語の挨拶、これで"ツカミ"はOKかも。 : 英語で返事ができますか? (角川oneテーマ21 B 110)(本)
2008/5/25 ゴルゴ十三ベスト67レビュアー
「日常生活・ビジネスの場面で、英語で話しかけられたら どう返答しますか?」というポイントに焦点を当てた英会話フレーズ本です。一例を挙げると:
【気持ちはわかるよ】
・こう言われたら?[日常] "Things haven't been going so well lately"
(まずはこれが言えればOK!) "I know how you feel", "We all go through periods like that", "Don't take things so personally", "Don't dwell so much on your problems"
(こんな答えがネイティブ流!) "I've been there too", "You should look on the bright side !", "Cheer up !", "You'll land on your feet !"
・こう言われたら?[ビジネス] "Business has been really slow"
(こう答えたら好感度UP!) "I can certainly sympathize", "You have my sympathies", "Things will look up soon", "I'm sure things will soon improve for you", "We'll get through this"
(こんな返事で差をつける!) "I can imagine what you're going through", "Try to be more positive !"
それぞれに日本語訳と数行程度の解説が付いています。自分が英語で話しかける際に、こういうネイティブな答えが返ってくるかもしれませんので、「言われたら分かるようにしておこう」という観点で本書を眺めると参考になりそうですね。
「英語が伝わる!100のツボ」「リトル・チャロ カラダにしみこむ英会話」等のNHK番組も参考になるかと思います。
アメリカ人は沈黙("間")に弱いので(最長3秒位)、英語の"反射神経"を鍛えておきましょう。Good luck ! (^-^)v
【気持ちはわかるよ】
・こう言われたら?[日常] "Things haven't been going so well lately"
(まずはこれが言えればOK!) "I know how you feel", "We all go through periods like that", "Don't take things so personally", "Don't dwell so much on your problems"
(こんな答えがネイティブ流!) "I've been there too", "You should look on the bright side !", "Cheer up !", "You'll land on your feet !"
・こう言われたら?[ビジネス] "Business has been really slow"
(こう答えたら好感度UP!) "I can certainly sympathize", "You have my sympathies", "Things will look up soon", "I'm sure things will soon improve for you", "We'll get through this"
(こんな返事で差をつける!) "I can imagine what you're going through", "Try to be more positive !"
それぞれに日本語訳と数行程度の解説が付いています。自分が英語で話しかける際に、こういうネイティブな答えが返ってくるかもしれませんので、「言われたら分かるようにしておこう」という観点で本書を眺めると参考になりそうですね。
「英語が伝わる!100のツボ」「リトル・チャロ カラダにしみこむ英会話」等のNHK番組も参考になるかと思います。
アメリカ人は沈黙("間")に弱いので(最長3秒位)、英語の"反射神経"を鍛えておきましょう。Good luck ! (^-^)v
「オリジナリティ」って言うな! : 若者論を疑え! (宝島社新書 265) (宝島社新書 (265))(本)
2008/5/24 モワノンプリュベスト89レビュアー
『「ニート」って言うな!』所収の後藤の文章が印象に残っていたので、本書の刊行を知って早速読んだ。インチキ若者論への解毒剤、またはワクチンとして非常に有効だと思う。後藤は東北大で都市・建築学を専攻する院生だが、84年生とは思えないくらい成熟した視線の持ち主だ。
ピンで勝負するには知名度の低い後藤の本を出すにあたって、たぶん編集者の判断だろう、序文代わりに巻頭に本田由紀(東大准教授)との対談を置いている。また1・2章の後に別ライターによる「若者のリアル」という取材記事が挟まっている。
本田は『「ニート」って言うな!』での縁もあって対談を引き受けたのだろうが、しかしこれ、あまり愉快じゃなかった。本田は後藤の仕事に敬意を払いつつも、「すでにいろんな論者が指摘していることを、より細かく、言説に即して検証」するだけの「モグラ叩き」で、「オリジナリティ」に欠けるのではとツッコミを入れている(p24)。対して「私は、(中略)『元から断ちたい』というところがある」(p29)、と。
しかし言っちゃ何だが、グローバライゼーション下での競争激化(p31)だとか、「権力や資本」(p32)を持ち出す本田の議論だって「すでにいろんな論者が指摘している」し、そんなに「オリジナリティ」豊かとも感じられない。「元から断つ」というような革命幻想よりは、むしろ後藤の「負ける戦いを続けている感じですが、統計を出しながら、『一面的な見方が間違っている』という思考が少しでも広がるようにと思っています」(p27)という言葉や、「私は『武器屋』」(p45)という自己規定のほうに、私はむしろ共感する。「モグラ叩き」で何が悪い?
ピンで勝負するには知名度の低い後藤の本を出すにあたって、たぶん編集者の判断だろう、序文代わりに巻頭に本田由紀(東大准教授)との対談を置いている。また1・2章の後に別ライターによる「若者のリアル」という取材記事が挟まっている。
本田は『「ニート」って言うな!』での縁もあって対談を引き受けたのだろうが、しかしこれ、あまり愉快じゃなかった。本田は後藤の仕事に敬意を払いつつも、「すでにいろんな論者が指摘していることを、より細かく、言説に即して検証」するだけの「モグラ叩き」で、「オリジナリティ」に欠けるのではとツッコミを入れている(p24)。対して「私は、(中略)『元から断ちたい』というところがある」(p29)、と。
しかし言っちゃ何だが、グローバライゼーション下での競争激化(p31)だとか、「権力や資本」(p32)を持ち出す本田の議論だって「すでにいろんな論者が指摘している」し、そんなに「オリジナリティ」豊かとも感じられない。「元から断つ」というような革命幻想よりは、むしろ後藤の「負ける戦いを続けている感じですが、統計を出しながら、『一面的な見方が間違っている』という思考が少しでも広がるようにと思っています」(p27)という言葉や、「私は『武器屋』」(p45)という自己規定のほうに、私はむしろ共感する。「モグラ叩き」で何が悪い?
ビジネスパーソンにとって大切なのは、会計の知識ではなく会計的思考法である! : 価値を創造する会計 (PHPビジネス新書)(本)
2008/5/19 まぁちゃんベスト77レビュアー
会計から経営を。さらに自然界の法則にまで会計を高めた1冊です。
会計は数字の計算だけでなく、お客様や働いている人の心を映し出す鏡の存在として機能するものだということがわかりました。
株主、お客様、従業員、取引先・・・関わる人たちに「価値」つまり「幸せ」をいかに創造するのが大切なのです。
そのためにビジネスパーソンは「志」が必要だと著者は言う。
多くの人を幸せにする思考を会計という側面から学びたい人にお勧めな1冊です。
会計学から経営脳を鍛えましょう!
会計は数字の計算だけでなく、お客様や働いている人の心を映し出す鏡の存在として機能するものだということがわかりました。
株主、お客様、従業員、取引先・・・関わる人たちに「価値」つまり「幸せ」をいかに創造するのが大切なのです。
そのためにビジネスパーソンは「志」が必要だと著者は言う。
多くの人を幸せにする思考を会計という側面から学びたい人にお勧めな1冊です。
会計学から経営脳を鍛えましょう!
一会社員でもココまで出来る!韓国語をグッと身近に感じることが出来る文庫本。 : 漢字でわかる韓国語入門―日本人だからカンタン、読める話せる速習法 (祥伝社黄金文庫)(本)
2008/5/18 ゴルゴ十三ベスト67レビュアー
主要目次: 第1章「こんなに似ている日本語と韓国語」第2章「日韓共通の財産=『漢字語』からの第一歩」第3章「韓国という国と、固有のことば」第4章「ハングル文字を、最もラクに覚える法」第5章「ハングルで歩くソウル・慶州」第6章「日本文から韓国文へのアプローチ」第7章「韓国語会話の勘所」第8章「『アリラン』『釜山港へ帰れ』を歌う」付録:漢字の読み方・日韓比較表
語学の専門家ではない一会社員が如何に韓国語をマスターしたか、その軌跡が良く分かります。特に漢字語に関する説明は面白かったです。「一、二、三、…、十」の日韓の読み方の違いに注目する処は「目から鱗」でした。("t"→"r/l"、"ni→i"の変換ルールから日本の読み方が"ニッポン"から"イルボン"に変化する、等) 付録の漢字の読み方・日韓比較表は眺めるだけで面白いですね。(文庫/新書でここまで迫っているのは他にないのでは?) このほか、韓国の歴史・文化に関する記述は参考になります。著者の経験談も大変面白く読めます。("韓国文化に親しもう"という心意気に学ぶ処は多いです) 韓国・ハングルがグッと身近に感じられる一冊です。
ただ、ハングル(発音)に関しては一部不正確だったり、通常の教科書とは記述が違ったりする箇所もありますので注意は必要です。(例:「"○+Π"で"YO"の発音」の説明で「○がY、ΠがOに対応」という記述は頂けません。この場合、○は無音子音です) 本書で韓国語に興味を持ったら、本格的な教科書で学び直すと良いでしょう。
語学の専門家ではない一会社員が如何に韓国語をマスターしたか、その軌跡が良く分かります。特に漢字語に関する説明は面白かったです。「一、二、三、…、十」の日韓の読み方の違いに注目する処は「目から鱗」でした。("t"→"r/l"、"ni→i"の変換ルールから日本の読み方が"ニッポン"から"イルボン"に変化する、等) 付録の漢字の読み方・日韓比較表は眺めるだけで面白いですね。(文庫/新書でここまで迫っているのは他にないのでは?) このほか、韓国の歴史・文化に関する記述は参考になります。著者の経験談も大変面白く読めます。("韓国文化に親しもう"という心意気に学ぶ処は多いです) 韓国・ハングルがグッと身近に感じられる一冊です。
ただ、ハングル(発音)に関しては一部不正確だったり、通常の教科書とは記述が違ったりする箇所もありますので注意は必要です。(例:「"○+Π"で"YO"の発音」の説明で「○がY、ΠがOに対応」という記述は頂けません。この場合、○は無音子音です) 本書で韓国語に興味を持ったら、本格的な教科書で学び直すと良いでしょう。
想像力豊かに縄文時代を解説しています : 縄文の思考 (ちくま新書 713)(本)
2008/5/17 vatmideoベスト76レビュアー
単に遺跡や出土品を解説する本ではありません。そういったものから推測される縄文人の生活や工夫、そして思考や家族といった精神世界をも描いています。
また硬い翡翠に穴を開ける方法やストーンサークルの意味など、我々には想像もできない工夫や知恵も描かれています。
いずれにしても、自分自身が縄文人だったらといった想像をかなりかき立てられ、臨場感を持って読み進むことのできる本です。
また硬い翡翠に穴を開ける方法やストーンサークルの意味など、我々には想像もできない工夫や知恵も描かれています。
いずれにしても、自分自身が縄文人だったらといった想像をかなりかき立てられ、臨場感を持って読み進むことのできる本です。
中東と 世界との距離 : イスラーム哲学の原像 (岩波新書 黄版 119)(本)
2008/5/15 くにたち蟄居日記ベスト32レビュアー
インドネシア勤務となったことで イスラム関係の本を読む必要を覚えた。本書もその一環として手にした。
本書は講演を元にして書かれており 文章は平易だが 中身は流石に容易には理解できない。これは僕が まだ哲学をよむ基礎が出来ていない点と イスラムの素養に欠けているからだと考える次第だ。それでも 二点勉強になった」。
一点目は イスラムの哲学は 欧州の哲学と濃厚な交流を持っていた事だ。僕らから見ると中東と欧州は全く違うと見えるかもしれないが 歴史的に考えると この両者は関係が深いことに気がつく。
実際先日訪問した ヨルダンにはローマの遺跡がはっきりと残っている。また アレクサンドリアの街並みを眺めていると 南欧のそれとの相似に驚いた。
現代はイスラムと西側諸国との対立という「大きな物語」があるが この二つ、特に欧州と中東に通底しているものを踏まえて そんな物語を読み解かないと わからない部分はあるということだと思う。
二点目は著者が イスラム哲学を語るにあたり 「老子」「荘子」などの中国の思想を自由に扱っている事だ。これは中東〜インド〜中国に流れる文化的古層と言えるのかもしれない。
著者は かつて岡倉天心が 同様の問題提起をした点を指摘した上で それを安易に肯定する点には慎重だが 著者の語り口では縦横無尽にそれを踏まえている。
そもそも著者は 大川周明から援助を受けていたことも有名だと聞くが 大川の持っていたインド、中東を含んだ大きなVISIONの一例として 本書があるのかもしれない。
インドネシアというイスラム国に住むことで 今まで手にとる機会がないような本を読む機会を得た。これは人生の醍醐味だ。
本書は講演を元にして書かれており 文章は平易だが 中身は流石に容易には理解できない。これは僕が まだ哲学をよむ基礎が出来ていない点と イスラムの素養に欠けているからだと考える次第だ。それでも 二点勉強になった」。
一点目は イスラムの哲学は 欧州の哲学と濃厚な交流を持っていた事だ。僕らから見ると中東と欧州は全く違うと見えるかもしれないが 歴史的に考えると この両者は関係が深いことに気がつく。
実際先日訪問した ヨルダンにはローマの遺跡がはっきりと残っている。また アレクサンドリアの街並みを眺めていると 南欧のそれとの相似に驚いた。
現代はイスラムと西側諸国との対立という「大きな物語」があるが この二つ、特に欧州と中東に通底しているものを踏まえて そんな物語を読み解かないと わからない部分はあるということだと思う。
二点目は著者が イスラム哲学を語るにあたり 「老子」「荘子」などの中国の思想を自由に扱っている事だ。これは中東〜インド〜中国に流れる文化的古層と言えるのかもしれない。
著者は かつて岡倉天心が 同様の問題提起をした点を指摘した上で それを安易に肯定する点には慎重だが 著者の語り口では縦横無尽にそれを踏まえている。
そもそも著者は 大川周明から援助を受けていたことも有名だと聞くが 大川の持っていたインド、中東を含んだ大きなVISIONの一例として 本書があるのかもしれない。
インドネシアというイスラム国に住むことで 今まで手にとる機会がないような本を読む機会を得た。これは人生の醍醐味だ。
教育者としてのありかた : 次郎物語〈上〉 (新潮文庫)(本)
2008/5/11 くにたち蟄居日記ベスト32レビュアー
なんとなく言うのが恥ずかしい気もするが 次郎物語は僕の愛読書である。
なんで恥ずかしいのかを自答しているが やはり ストレートなまでの素直な本だからかと思う。
例えば 僕は 芥川龍之介という作家の著作も非常に好きだ。これは言っていて恥ずかしくない。芥川という稀代の芸術家の作品を讃することには問題がないのだと思う。
その点 下村湖人という方は「芸術家」とは言い難いものがある。むしろ「教育者」の資質がきわめて強いと思うのだ。
僕は芥川の作品を読んで 何かを学ぶということは出来ない。彼の著作が好きだとしたら それは 圧倒的な「美」がそこにあるからだと思っている。実際 芥川の作品のいくつかは まるで工芸品のような美しさを持っている。壊れやすいガラス細工のような。
それと比較すると「次郎物語」には かような美は見いだせない。但し 行間から聞こえてくる著者の「教え」には 中年になった今でも学ぶ点が多い。
いい年をして「勉強」していることが恥ずかしいのだろうか?
なんで恥ずかしいのかを自答しているが やはり ストレートなまでの素直な本だからかと思う。
例えば 僕は 芥川龍之介という作家の著作も非常に好きだ。これは言っていて恥ずかしくない。芥川という稀代の芸術家の作品を讃することには問題がないのだと思う。
その点 下村湖人という方は「芸術家」とは言い難いものがある。むしろ「教育者」の資質がきわめて強いと思うのだ。
僕は芥川の作品を読んで 何かを学ぶということは出来ない。彼の著作が好きだとしたら それは 圧倒的な「美」がそこにあるからだと思っている。実際 芥川の作品のいくつかは まるで工芸品のような美しさを持っている。壊れやすいガラス細工のような。
それと比較すると「次郎物語」には かような美は見いだせない。但し 行間から聞こえてくる著者の「教え」には 中年になった今でも学ぶ点が多い。
いい年をして「勉強」していることが恥ずかしいのだろうか?
読みやすいが重いテーマの本 : 反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書 新赤版 1124)(本)
2008/5/10 vatmideoベスト76レビュアー
「貧困の最大の特徴は『見えない』ことであり、そして貧困の最大の敵は『無関心』」だという巻末の言葉がずしりと響きました。
本書の前半では、貧困から脱したくてもできない"すべり台社会"の状況が「見え」てきます。それを救うための生活保護や最低賃金などのセーフティーネットからも抜け落ちざるを得ない人々の状況がわかります。さらに"溜め"がないために自助努力のきっかけが掴めない現状にも納得しました。
また後半ではそのセーフティーネットを機能させるための筆者らの取り組みが伺えます。マスコミが機能し、政治家を動かすことで、まだまだ不十分なものの「関心」が生まれていく過程が見えます。
自分自身が給与所得者であるため、見えていなかった世界を具体的に示してくれた本でした。でも結構、読後感は重いものです。
本書の前半では、貧困から脱したくてもできない"すべり台社会"の状況が「見え」てきます。それを救うための生活保護や最低賃金などのセーフティーネットからも抜け落ちざるを得ない人々の状況がわかります。さらに"溜め"がないために自助努力のきっかけが掴めない現状にも納得しました。
また後半ではそのセーフティーネットを機能させるための筆者らの取り組みが伺えます。マスコミが機能し、政治家を動かすことで、まだまだ不十分なものの「関心」が生まれていく過程が見えます。
自分自身が給与所得者であるため、見えていなかった世界を具体的に示してくれた本でした。でも結構、読後感は重いものです。
最初に読んでみました : 能の物語 (講談社文芸文庫)(本)
2008/5/8 recluseベスト66レビュアー
この年になりやっと能なるものを実際に見ることになりました。見た後に読んだのがこの作品でした。この作品は能の有名な名作を丁寧に解説しています。大部分は平家物語に関連の深い作品ですが、やはりここにこそ日本人の美意識の極致が凝縮されているからでしょうか。能自体は謡いの部分は音で聞いてもなかなか言葉を明確に把握することは難しいようです。視覚と想像力の自由な飛翔こそが能の理解には不可欠だと著者は指摘しますが、やはり、この作品を読んでそのエッセンスを前もって吸収しておくことが、その作業には必要でしょう。それぞれの作品について、実際の地名と登場人物、そして故事と歌の解説そして作品の本質が見事にまとめられています。間と省略がその本質である能の魅力が見事にまとめられた作品です。選ばれたどの作品も日本人の美意識の本質を読者に突きつけるものです。
本書などによって知識を仕入れるしかない分野 : 統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか?(本)
2008/5/7 3.14カラットのダイアモンドベスト13レビュアー
例えば、厚労省が発表する平均初婚年齢は提出された婚姻届を元に算出されるので、生涯未婚の人のことは考慮されない。そのため、我々の実感と乖離したデータになってしまうとのことだが、マスコミが、そう言ったデータの算出方法や意味合いまでも報道することはないので、本書などによって知識を仕入れるしかない。
シンクタンクがマスコミ受けするデータしか発表しないと言う指摘も、常に心に留めておく必要があるだろう。
シンクタンクがマスコミ受けするデータしか発表しないと言う指摘も、常に心に留めておく必要があるだろう。
きたー。おぼれました。 : 火星の長城 (ハヤカワ文庫 SF レ 4-3 レヴェレーション・スペース 1) (ハヤカワ文庫 SF レ 4-3 レヴェレーション・スペース 1)(本)

火星の長城 (ハヤカワ文庫 SF レ 4-3 レヴェレーション・スペース 1) (ハヤカワ文庫 SF レ 4-3 レヴェレーション・スペース 1)(本)
アレステア・レナルズ,
発売日:2007/08/25
2008/5/7 lemonerikaベスト10レビュアー
5つの中・短篇からなるハードっぽいSFです。
脳に機械を埋め込んだ人々と人類の争いの初期を描いたもの、
太陽系外で、人々が出会う殺人事件を描いたもの、
木星の衛星を舞台にスパイを活躍を描いたもの
謎の惑星の謎の建築物を冒険するもの
等です。
戦争や外交を描いたもの、ミステリーっぽい作品、
スパイもの、探検もの・・・
どの話も、趣向が違って飽きません。
人類の進歩、技術の進歩、異星人たち・・・
筆者の描く「宇宙」に溺れました。
一つ読むと次の話が楽しみになり、一気に読みました。
解説もGOOD。作品の背景や、他の作品との関係、
各物語の歴史的な位置づけ等が丁寧に説明されています。
満足しました。
脳に機械を埋め込んだ人々と人類の争いの初期を描いたもの、
太陽系外で、人々が出会う殺人事件を描いたもの、
木星の衛星を舞台にスパイを活躍を描いたもの
謎の惑星の謎の建築物を冒険するもの
等です。
戦争や外交を描いたもの、ミステリーっぽい作品、
スパイもの、探検もの・・・
どの話も、趣向が違って飽きません。
人類の進歩、技術の進歩、異星人たち・・・
筆者の描く「宇宙」に溺れました。
一つ読むと次の話が楽しみになり、一気に読みました。
解説もGOOD。作品の背景や、他の作品との関係、
各物語の歴史的な位置づけ等が丁寧に説明されています。
満足しました。
欧米以上に感じる中国とのギャップ : 逆検定中国歴史教科書―中国人に教えてあげたい本当の中国史 (祥伝社黄金文庫 (Gい2-11))(本)
2008/5/6 3.14カラットのダイアモンドベスト13レビュアー
長野で行われた北京オリンピック聖火リレーで中国人達がとった行動を見てもわかる通り、日本人と中国人の違いは、日本人と欧米人との違いよりもはるかに大きいと思われる。本書を読むと、中国人が日本人のみならず欧米人ともかなり違った歴史観の中で生きていると言うことが理解でき、それが長野での行動に繋がっているのかと妙に納得してしまった次第である。異文化を知る時、日本文化とのギャップが大きければ大きいほど知的興味がかき立てられるが、それを求めている人にとって、本書はうってつけである。
「この200題が全て解ければ将棋プロ4段になれる」(米長邦雄 永世棋聖) : 詰むや詰まざるや―将棋無双・将棋図巧 (東洋文庫 282)(本)
2008/5/5 ゴルゴ十三ベスト67レビュアー
「勉強の仕方−頭がよくなる秘密 (原題:『人生惚れてこそ』)」(米長・羽生)という対談形式エッセイでも言及されていた詰将棋難解本です。米長氏が「この200題が全て解ければ四段になれる(=将棋プロになれる)」というコメントを読んだ奨励会時代の羽生氏が必死になって取り組んだという本です。(羽生氏に限らず、トップクラスのプロ棋士は大抵本書をこなしているらしいです)
羽生氏曰く「あれをすべて自力で解ければ、いろいろ理論的なことが身につくということもあるんですけれども、もっと大切なことが隠されていますね。(中略) それで終わってみて気づきました。技術が身に付くんじゃなくて、この難解な詰将棋200題を何年もかけて解く情熱とか熱意とかがあるから、つまり、そういう将棋への思いがあるから、プロになれるんだなと。(中略) 毎日毎日、同じ詰将棋を考えつづけて、解けないと、途中でもう嫌だと思って止めてしまう時期があるんです、本当に。だから、私も中断してしまって、6、7年もかかった。それを乗り越えて将棋に取り組む気があるのかどうなのか、将棋への思いが持続するかどうか、そういうことを言われたのだな、ということが理解できたんです。」けだし名言です。「分かることを急いでいたら、研究者になんかならん方が良い。すぐにはワカランことを考えて、そのうち何とかするのが、研究というものなのだから」(森毅)に通じるものがあります。野球の"地肩"ならぬ"地頭"の強さが"考えるプロ"には必要です。
つまり本書は「"地頭"の強さを試す詰将棋集」と言えます。心してかかってください。。。(プロではなく)普通の将棋愛好家も本書の詰将棋の詰み上がりまでの手順や詰み上がりの駒の配置の見事さには感銘を受けることでしょう。(煙詰、裸玉、長手順...)
羽生氏曰く「あれをすべて自力で解ければ、いろいろ理論的なことが身につくということもあるんですけれども、もっと大切なことが隠されていますね。(中略) それで終わってみて気づきました。技術が身に付くんじゃなくて、この難解な詰将棋200題を何年もかけて解く情熱とか熱意とかがあるから、つまり、そういう将棋への思いがあるから、プロになれるんだなと。(中略) 毎日毎日、同じ詰将棋を考えつづけて、解けないと、途中でもう嫌だと思って止めてしまう時期があるんです、本当に。だから、私も中断してしまって、6、7年もかかった。それを乗り越えて将棋に取り組む気があるのかどうなのか、将棋への思いが持続するかどうか、そういうことを言われたのだな、ということが理解できたんです。」けだし名言です。「分かることを急いでいたら、研究者になんかならん方が良い。すぐにはワカランことを考えて、そのうち何とかするのが、研究というものなのだから」(森毅)に通じるものがあります。野球の"地肩"ならぬ"地頭"の強さが"考えるプロ"には必要です。
つまり本書は「"地頭"の強さを試す詰将棋集」と言えます。心してかかってください。。。(プロではなく)普通の将棋愛好家も本書の詰将棋の詰み上がりまでの手順や詰み上がりの駒の配置の見事さには感銘を受けることでしょう。(煙詰、裸玉、長手順...)
子どものころ読んだグリム童話を別の角度から見るススメ : グリム童話―メルヘンの深層 (講談社現代新書)(本)
2008/5/4 くろやぎベスト93レビュアー
本書の圧巻はグリム兄弟のウソをあばく第3章です。
グリム兄弟は、庶民の代表のような農家のおばあさんから話を聞いたことになってまいます。また、聞いた話の内容を変えていないことになってます。
ところが、グリム童話が出版された直後から、「グリム兄弟は農村を訪ねてまわったりしなかった」との批判が出ていました。
後の研究で明らかになったグリム兄弟の取材先は、中産階級で(農家ではない)、若い女性で(老婦ではない)、教養ある女性で(本で読んだ内容を含むかもしれない)、フランス系ドイツ人でした。
これでは、ドイツ庶民が口承で伝えた話を集めたことになりません。
もうひとつ、「話の内容を変えていない」がウソであることは、草稿から第7版までの内容を比べれば、おのずから明らかになることです。
何より、話の長さが、ほぼ倍になっています。鈴木氏が例としてあげた「カエルの王様」は、草稿で3行だったのに、初版で6行に増え、第2版で7行になり、決定版では11行に達しました。
さて、グリムのウソをあばいた鈴木氏は、グリムを糾弾するかわりに、グリム童話をもっと楽しむことを提案しています。
「古代から伝えられた物語」ではなく、「19世紀ドイツの価値観で書き換えられた物語」という目で見てみると、この物語に込められた“陰謀”が見えてくる。それを楽しみましょう、というのです。
別な角度から見ることによって、子どものころ読んだグリム童話の持つ意味が違って見えてくるのは楽しい。
グリム兄弟は、庶民の代表のような農家のおばあさんから話を聞いたことになってまいます。また、聞いた話の内容を変えていないことになってます。
ところが、グリム童話が出版された直後から、「グリム兄弟は農村を訪ねてまわったりしなかった」との批判が出ていました。
後の研究で明らかになったグリム兄弟の取材先は、中産階級で(農家ではない)、若い女性で(老婦ではない)、教養ある女性で(本で読んだ内容を含むかもしれない)、フランス系ドイツ人でした。
これでは、ドイツ庶民が口承で伝えた話を集めたことになりません。
もうひとつ、「話の内容を変えていない」がウソであることは、草稿から第7版までの内容を比べれば、おのずから明らかになることです。
何より、話の長さが、ほぼ倍になっています。鈴木氏が例としてあげた「カエルの王様」は、草稿で3行だったのに、初版で6行に増え、第2版で7行になり、決定版では11行に達しました。
さて、グリムのウソをあばいた鈴木氏は、グリムを糾弾するかわりに、グリム童話をもっと楽しむことを提案しています。
「古代から伝えられた物語」ではなく、「19世紀ドイツの価値観で書き換えられた物語」という目で見てみると、この物語に込められた“陰謀”が見えてくる。それを楽しみましょう、というのです。
別な角度から見ることによって、子どものころ読んだグリム童話の持つ意味が違って見えてくるのは楽しい。
what is already done cannot be undone......... : 陰翳礼讃 (中公文庫)(本)
2008/5/4 recluseベスト66レビュアー
たくさんレヴューがでているんですね。いまさら何も付け加えるものはありません。まず読みやすい。身近な話題(厠、旅行、男女関係、そして女性)が著者によって一刀両断に批評されていきます。小説と違って、ここには彼の美意識が具体性を持つ現象や道具へのコメントを通じて、直接に提示されているわけです。特に女性観の部分は一読に値します。しかし、この部分は、おそらく誤解されやすい部分です。現代では、もはや断片的にこの種のコメントをこのような形で述べることは許されないかもしれません。特に、「個性」ではなく「型」を重視する部分、そして日本女性を人形と捉えた部分(47ページ、125ページ)は、もはや現代の日本人には少なからぬ反感を引き起こす部分なのかもしれません。またステレオタイプ化した国民性の過度の一般化とそれへの依拠は議論を巻き起こす部分でしょう。しかし断片に現れる見解を、その基底の部分で支えているのは、著者の日本に対する美意識です。悲しいかな、この美意識を、谷崎が取り上げる具体性の中で再体験することは難しいかもしれません。やっと知的営為の産物として、かすかに思い出すことができるといったところでしょう。この全体的な哲学への理解なしで、これらの断片への好悪やその古めかしさを取り上げても、それは野暮な行為というべきでしょう。ここでは、これまでは不思議としか思えなかった鉄漿すら必然として説明されているくらいですから。そして、忘れてはならないのは、全編、著者のユーモアがさりげなくちりばめられています。
「構造=集合+相互関係」という話は人間組織でも同じ : 不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書 1926)(本)
2008/5/4 ゴルゴ十三ベスト67レビュアー
行き過ぎた『成果主義』ゆえにギスギスしてしまった職場。"数字で見えるモノ"(個人業績)にしか集中できなくなってしまった為に、"数字で見えないモノ"(組織内外の協力関係)が疎かになり組織全体としてウマく回らなくなってしまう笑えない悲劇(→「内側から見た富士通『成果主義』の崩壊」(城 繁幸)に詳しいですね)。数学(複雑ネットワーク)における「構造=集合+相互関係」という話は人間組織においても当てはまる訳で、いくら優秀な個を集めても各個人の間のナチュラルな協力関係(ケミストリー)が働かないとチームとして機能しないのは明らかです。そこで如何にこのケミストリーを取り戻し、働き甲斐のあるワクワクする職場を作るかということに主眼を置いた本です。
「役割構造」「評判情報」「インセンティブ」という3つのframeworkによる協力関係の解析(第2章)、社会心理学的な視点(第3章)は「そういう風に言語化ができるのか!」という意味で参考になりました。他の内容は既に他書で読んだ内容とかぶっていたので、特に新規性はありませんでしたが。(→例えば「私たちはどうつながっているのか」(増田直紀),「ピープルウエア」「ゆとりの法則」(デマルコ), 「部下を動かす人事戦略」(金井寿宏,高橋俊介),「リーダーこれだけ心得帖」(阪本啓一))
結論としては「感謝と認知のフィードバック」が重要とのことで、確かにそうなのですが、そんな綺麗事だけでは済まないというのが実際ではないでしょうか。具体例にあるような会社(Google)は、応募する人間のレベル・人選の部分で既に他の一般企業とは違うのです。本当に実力もなく高潔な意図もなく「自分さえ良ければ他はどうでも良い」という輩は時折存在しえます(→ 一種の"パレートの法則"?)。このような性善説だけでは通用しないケースにどう対峙するかの解答は本書にはありませんので、個々のケースにおいては工夫(or"再配置"の決断)が必要だと思います。
「役割構造」「評判情報」「インセンティブ」という3つのframeworkによる協力関係の解析(第2章)、社会心理学的な視点(第3章)は「そういう風に言語化ができるのか!」という意味で参考になりました。他の内容は既に他書で読んだ内容とかぶっていたので、特に新規性はありませんでしたが。(→例えば「私たちはどうつながっているのか」(増田直紀),「ピープルウエア」「ゆとりの法則」(デマルコ), 「部下を動かす人事戦略」(金井寿宏,高橋俊介),「リーダーこれだけ心得帖」(阪本啓一))
結論としては「感謝と認知のフィードバック」が重要とのことで、確かにそうなのですが、そんな綺麗事だけでは済まないというのが実際ではないでしょうか。具体例にあるような会社(Google)は、応募する人間のレベル・人選の部分で既に他の一般企業とは違うのです。本当に実力もなく高潔な意図もなく「自分さえ良ければ他はどうでも良い」という輩は時折存在しえます(→ 一種の"パレートの法則"?)。このような性善説だけでは通用しないケースにどう対峙するかの解答は本書にはありませんので、個々のケースにおいては工夫(or"再配置"の決断)が必要だと思います。
2人のフューチャリストに“疾走する悲しみ”を見る : フューチャリスト宣言 (ちくま新書 656)(本)
2008/5/3 くろやぎベスト93レビュアー
梅田さんは、インターネットの可能性を確かめるかのように、1日に8時間から10時間もネットの「あちら側」の世界を渉猟しています。
日本に来たときだけ、会議に出席したりコンサルタント先と面会したりしますが、住んでいるアメリカでは飛行機の国内線にも乗らず、ほとんど自宅とオフィスを往復するだけです。
かたや茂木さんは、リアルの世界で充実して多忙な日々を送りながら、ネットの世界でもアクティブに行動しています。
その二人が「フューチェリスト」として未来を見通す名手を目指します。そのためには、人間というものを総合的に理解しなければならず、ありとあらゆるものを動員する「知の総力戦」に挑まなければなりません。
そんな途方もない道を選んだのは、二人とも「未来は明るい、そうあってほしい」と願っているからです。
しかし、ネットのあちら側の革命を知ろうともしないリアル世界の権威者たちは、決していい顔をしません。
特に茂木さんは、大学や研究室に閉じこもる生活を拒否していて、テレビのキャスターを務め、自分の専門外の人びとと対談し、執筆・講演・取材を精力的にこなしています。
マルチで活躍しているというだけで「専門で一流の仕事をしていない」と言われることを梅田さんは心配しています。
それでも疾走しつづける二人の活躍を本書で知り、私はモーツァルトの悲しみを連想しました。
モーツァルトは同時代の音楽的権威になかなか認められず、宮廷音楽士としては無名のまま世を去らなければなりませんでした。
こんなに本が売れてインターネットの世界でも有名な二人に悲しみを感じるのもおかしなものですが、同時代の権威者に理解されないことにモーツァルトとの共通点を感じるのです。
二人のフューチャリストの示してくれる未来が、本当に明るい世界でありますように。
日本に来たときだけ、会議に出席したりコンサルタント先と面会したりしますが、住んでいるアメリカでは飛行機の国内線にも乗らず、ほとんど自宅とオフィスを往復するだけです。
かたや茂木さんは、リアルの世界で充実して多忙な日々を送りながら、ネットの世界でもアクティブに行動しています。
その二人が「フューチェリスト」として未来を見通す名手を目指します。そのためには、人間というものを総合的に理解しなければならず、ありとあらゆるものを動員する「知の総力戦」に挑まなければなりません。
そんな途方もない道を選んだのは、二人とも「未来は明るい、そうあってほしい」と願っているからです。
しかし、ネットのあちら側の革命を知ろうともしないリアル世界の権威者たちは、決していい顔をしません。
特に茂木さんは、大学や研究室に閉じこもる生活を拒否していて、テレビのキャスターを務め、自分の専門外の人びとと対談し、執筆・講演・取材を精力的にこなしています。
マルチで活躍しているというだけで「専門で一流の仕事をしていない」と言われることを梅田さんは心配しています。
それでも疾走しつづける二人の活躍を本書で知り、私はモーツァルトの悲しみを連想しました。
モーツァルトは同時代の音楽的権威になかなか認められず、宮廷音楽士としては無名のまま世を去らなければなりませんでした。
こんなに本が売れてインターネットの世界でも有名な二人に悲しみを感じるのもおかしなものですが、同時代の権威者に理解されないことにモーツァルトとの共通点を感じるのです。
二人のフューチャリストの示してくれる未来が、本当に明るい世界でありますように。
団体主義、全体主義とも孤立主義とも違う真の個人主義 : 新個人主義のすすめ (集英社新書 (0427)) (集英社新書 (0427))(本)
2008/5/3 くろやぎベスト93レビュアー
著者の林さんは「個人主義」という言葉を知らない幼いころから個人主義的生き方をつらぬいてきました。団体で何かするのが嫌でたまらない性分で、長じてからも意味もなく時間を浪費する宴会や「付き合い」をお断りしています。
高校のクラス会であろうと、クラブの同期会であろうと、酒宴と分かれば出ない。
たとえ自分自身の送別会であろうと欠席する、という徹底ぶりなのです。
このように日本では少数派の道を歩んできた林さんは、還暦を前にして自分の生き方をふり返ったのが本書です。
本書は「個人主義と利己主義とはどうちがうのですか」など、20個の質問に答える形で構成されています。
Q&A集の形式を採用するとは、さすが大学の先生をしていただけありますね。林さんが他の著書で自分のことを「リンボー先生」と呼んでいるのも納得です。
林さんの定義する個人主義は、自分のことだけを考えている「利己主義」とはっきり一線を画します。自分以外の人を「一個独立の個人」として認めることを第一歩として真の個人主義はスタートするのです。
誰かに寄りかかったり依存したりしないことが理想ですから、林流の個人主義はなかなかシンドイものです。
他人を尊重することを重んじますので、相手の言うことをろくに聞かずに自分の考えを押しつけるおせっかいな人や、十把ひとからげに同じことを要求する団体主義・全体主義とは遠くはなれています。
また、よく誤解されることですが、個人主義は決して孤立主義ではありません。
林さんが本書で提案している内容は、「和」を乱すことではありませんし、むしろみんなが愉快に、迷惑をかけずに暮らしていけるよう、いつも他人を思いやることが必要なのです。
高校のクラス会であろうと、クラブの同期会であろうと、酒宴と分かれば出ない。
たとえ自分自身の送別会であろうと欠席する、という徹底ぶりなのです。
このように日本では少数派の道を歩んできた林さんは、還暦を前にして自分の生き方をふり返ったのが本書です。
本書は「個人主義と利己主義とはどうちがうのですか」など、20個の質問に答える形で構成されています。
Q&A集の形式を採用するとは、さすが大学の先生をしていただけありますね。林さんが他の著書で自分のことを「リンボー先生」と呼んでいるのも納得です。
林さんの定義する個人主義は、自分のことだけを考えている「利己主義」とはっきり一線を画します。自分以外の人を「一個独立の個人」として認めることを第一歩として真の個人主義はスタートするのです。
誰かに寄りかかったり依存したりしないことが理想ですから、林流の個人主義はなかなかシンドイものです。
他人を尊重することを重んじますので、相手の言うことをろくに聞かずに自分の考えを押しつけるおせっかいな人や、十把ひとからげに同じことを要求する団体主義・全体主義とは遠くはなれています。
また、よく誤解されることですが、個人主義は決して孤立主義ではありません。
林さんが本書で提案している内容は、「和」を乱すことではありませんし、むしろみんなが愉快に、迷惑をかけずに暮らしていけるよう、いつも他人を思いやることが必要なのです。
パラダイスで起きる連続殺人事件 : 影に潜む(ハヤカワ・ミステリ文庫) (ハヤカワ・ミステリ文庫 ハ 1-44 ジェッシイ・ストーン・シリーズ)(本)
2008/5/2 鈴木純一ベスト27レビュアー
ボストン郊外の小さな街パラダイスで起きる連続殺人事件。地元パラダイス警察
の署長ジェシイ・ストーンは毎日メディアからのプレッシャーを受けながら捜査
することに。そして、ただでさえ少ない署員なのに、高校生のレイプ事件が起き
て、パラダイス警察はてんやわんやに。署員のモリーとジェシイの関係/会話は
ウィットに富み、ユーモアがいっぱいで楽しい。そのモリーもこれまでは、署内
の事務を切りもりする、ジェシイのよき理解者という感じだったのが、今回は捜
査(レイプ事件の方)に加わる点も面白い。連続殺人事件の方は、途中から誰が
犯人か読者には分かるようになり、ジェシイもそれを確信しつつ犯人との心理戦
へ。スペンサーシリーズでおなじみの州警察のヒーリーが出てくるのはいつも通
り。それに加えてリタ・フィオーレが出てくるのは楽しめた。ストーリーの展
開、登場人物の魅力、事件の解決と顛末、どれをとってもストーンシリーズで一
番楽しめた。
の署長ジェシイ・ストーンは毎日メディアからのプレッシャーを受けながら捜査
することに。そして、ただでさえ少ない署員なのに、高校生のレイプ事件が起き
て、パラダイス警察はてんやわんやに。署員のモリーとジェシイの関係/会話は
ウィットに富み、ユーモアがいっぱいで楽しい。そのモリーもこれまでは、署内
の事務を切りもりする、ジェシイのよき理解者という感じだったのが、今回は捜
査(レイプ事件の方)に加わる点も面白い。連続殺人事件の方は、途中から誰が
犯人か読者には分かるようになり、ジェシイもそれを確信しつつ犯人との心理戦
へ。スペンサーシリーズでおなじみの州警察のヒーリーが出てくるのはいつも通
り。それに加えてリタ・フィオーレが出てくるのは楽しめた。ストーリーの展
開、登場人物の魅力、事件の解決と顛末、どれをとってもストーンシリーズで一
番楽しめた。
62件中 21件から40件までを表示 | 次のページ >
















