医学・薬学
ミトコンドリアと核細胞が演じる共存と闘いの奇跡のドラマ : ミトコンドリアが進化を決めた(本)
2008/4/30 紫陽花ベスト57レビュアー
ミトコンドリアが進化に深く関与している点に光を当てた画期的な学究本。「ミトコンドリア=核細胞に後から入ってきた寄生体」と言う通念に反し、ミトコンドリアと原真核細胞の融合時期と真核細胞の誕生とはほぼ同時で、しかも真核細胞の誕生は生物史上一回しか起こらなかったと言う。これはミトコンドリアとの共生が真核細胞誕生の源泉となった事を強く示唆する。真核細胞の登場がその後の多細胞生物の多様な進化に繋がる事から、進化におけるミトコンドリアの重要性が分かる。
著者は、高酸素濃度時代のメタン生成菌と共生していた原ミトコンドリア(好気性細菌)の遺伝子移動が真核細胞の起源と考える。この後、ミトコンドリアがエネルギー供給源として、動的細胞骨格による形状変化、大型化、核形成、大量のDNA貯蔵、有性生殖、多細胞化等の真核生物の様式を司っている事が詳細に説明される。
特にATP通貨に関する化学浸透圧説(ミッチェル)の項は秀逸。呼吸と光合成と言う見かけの異なるエネルギー生成方式が一つに収斂する様が美しい。ここで言及される「プロトン勾配」が生命の起源にまで関係する。「プロトン勾配」は進化の制約(細胞の外膜)を打ち破る鍵でもある。固有の遺伝子を持つミトコンドリアが宿主細胞に内在する事により、エネルギー効率を落とす事なく細胞の大型化・複雑化が可能となり、獲物の捕食も可能になった。代謝率と生体時計の議論も面白い。また、アポトーシス(プログラム細胞死)に絡み、ミトコンドリアとガン・老化(死)との関連性、更に有性生殖の意義が詳細に議論される。まさにミトコンドリアと核細胞が演じる共存と闘いの奇跡のドラマである。
ミトコンドリア主体の進化のドラマをダイナミックに描いた知見溢れる啓蒙書。
著者は、高酸素濃度時代のメタン生成菌と共生していた原ミトコンドリア(好気性細菌)の遺伝子移動が真核細胞の起源と考える。この後、ミトコンドリアがエネルギー供給源として、動的細胞骨格による形状変化、大型化、核形成、大量のDNA貯蔵、有性生殖、多細胞化等の真核生物の様式を司っている事が詳細に説明される。
特にATP通貨に関する化学浸透圧説(ミッチェル)の項は秀逸。呼吸と光合成と言う見かけの異なるエネルギー生成方式が一つに収斂する様が美しい。ここで言及される「プロトン勾配」が生命の起源にまで関係する。「プロトン勾配」は進化の制約(細胞の外膜)を打ち破る鍵でもある。固有の遺伝子を持つミトコンドリアが宿主細胞に内在する事により、エネルギー効率を落とす事なく細胞の大型化・複雑化が可能となり、獲物の捕食も可能になった。代謝率と生体時計の議論も面白い。また、アポトーシス(プログラム細胞死)に絡み、ミトコンドリアとガン・老化(死)との関連性、更に有性生殖の意義が詳細に議論される。まさにミトコンドリアと核細胞が演じる共存と闘いの奇跡のドラマである。
ミトコンドリア主体の進化のドラマをダイナミックに描いた知見溢れる啓蒙書。
迫り来るパンデミックへの警鐘 : H5N1型ウイルス襲来―新型インフルエンザから家族を守れ! (角川SSC新書 12)(本)
2008/4/12 紫陽花ベスト57レビュアー
その時々で「鳥インフルエンザ」事件として話題になるが、「鳥インフルエンザ」ウィルスから変種して人間にも感染する「新型インフルエンザ」の脅威は意外と知られていない。本書は、その警鐘を鳴らす意味と準備・対策の紹介を目的として書かれた本。題名は、現在知られている「鳥インフルエンザ」ウィルスの中で最も強力な「H5N1型」から。
「新型インフルエンザ」の世界的な大流行をパンデミック・フルーと呼ぶが、著者によると20世紀に3回起こったそうである。1918年のスペイン風邪の時は、世界の総人口18億人のうち5〜10億人が感染したそうだ。「鳥インフルエンザ」が人間に感染する事は最近知られたが、「H5N1型」から変種した「新型インフルエンザ」は人間に感染した場合の発症率は100%(元々鳥のウィルスなので人間には免疫性がない)で、致死率も高い(約60%)強毒性がある。しかも、空気感染もするので伝播力も強い。現在は「鳥インフルエンザ」の段階で留まっているが、それが「新型インフルエンザ」に変るのは時間の問題であると述べる。パンデミック・フルー到来のまさに脅威だ。この後、「新型インフルエンザ」の詳しい症状やワクチン研究の状況が語られる。が、現在の国産ワクチンでは日本人の1/13にしか対応できない。年齢も無関係だと言う。そして、感染しない方法として、手洗い・うがい、洗顔、感染の危険のある物への直接接触の排除の3つを挙げる。同時に咳・クシャミ等相手に対する配慮も促す。普通の風邪の時と同じであるが、個人レベルではこの程度か。パンデミック状態に陥った時は世界的恐慌となるので、個人的な備蓄を勧める。日本は災害大国なので、非常袋を用意している家庭も多いが、パンデミック状態は短い期間では収束しないので、備蓄量(2ヶ月分程度)やその中に医療品を含める事をアドバイスする。
「鳥インフルエンザ」問題の脅威と対策を要領良く纏めた良書。
「新型インフルエンザ」の世界的な大流行をパンデミック・フルーと呼ぶが、著者によると20世紀に3回起こったそうである。1918年のスペイン風邪の時は、世界の総人口18億人のうち5〜10億人が感染したそうだ。「鳥インフルエンザ」が人間に感染する事は最近知られたが、「H5N1型」から変種した「新型インフルエンザ」は人間に感染した場合の発症率は100%(元々鳥のウィルスなので人間には免疫性がない)で、致死率も高い(約60%)強毒性がある。しかも、空気感染もするので伝播力も強い。現在は「鳥インフルエンザ」の段階で留まっているが、それが「新型インフルエンザ」に変るのは時間の問題であると述べる。パンデミック・フルー到来のまさに脅威だ。この後、「新型インフルエンザ」の詳しい症状やワクチン研究の状況が語られる。が、現在の国産ワクチンでは日本人の1/13にしか対応できない。年齢も無関係だと言う。そして、感染しない方法として、手洗い・うがい、洗顔、感染の危険のある物への直接接触の排除の3つを挙げる。同時に咳・クシャミ等相手に対する配慮も促す。普通の風邪の時と同じであるが、個人レベルではこの程度か。パンデミック状態に陥った時は世界的恐慌となるので、個人的な備蓄を勧める。日本は災害大国なので、非常袋を用意している家庭も多いが、パンデミック状態は短い期間では収束しないので、備蓄量(2ヶ月分程度)やその中に医療品を含める事をアドバイスする。
「鳥インフルエンザ」問題の脅威と対策を要領良く纏めた良書。
もしもの時に備えた除毒テクニック : 中国危険産物取り扱い読本(本)
2008/4/6 according to the conservativeベスト68レビュアー
本書は、食品を中心に巷に蔓延している中国産危険物に対する
リスク&自衛策を説く一冊です。先日の殺虫剤混入餃子、毒入り
ドックフードや農薬野菜、成長ホルモン漬けウナギに始まり、死を
招痩せる薬、発ガン物質で着色された製品。正に君子危うきに近
寄らずが懸命な策といったところです。但し、農薬入り餃子は食品
管理の問題ではなく、政府の対日敵視・反日政策に根付いている
ものなので単に管理を厳しくしただけでは解決は無理そうです。
巻末の除毒テクニックはもしもの時に役に立つかもしれません。
リスク&自衛策を説く一冊です。先日の殺虫剤混入餃子、毒入り
ドックフードや農薬野菜、成長ホルモン漬けウナギに始まり、死を
招痩せる薬、発ガン物質で着色された製品。正に君子危うきに近
寄らずが懸命な策といったところです。但し、農薬入り餃子は食品
管理の問題ではなく、政府の対日敵視・反日政策に根付いている
ものなので単に管理を厳しくしただけでは解決は無理そうです。
巻末の除毒テクニックはもしもの時に役に立つかもしれません。
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