aReviews

Amazonの達人100名がナットクした、良いものだけを厳選紹介。

外国映画

イベント的で絶叫マシーンに乗る感覚のパニック映画 : クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション(DVD)

2008/6/20 hide-bonベスト65レビュアー

4点

初めに言っておきます。この映画は、怪獣映画でもSF映画でもありません。
これは、我々が暮らす日常社会に突如ナニモノかが襲来し、街を破壊し尽くす中、そこに居合わせた若者たちの、不条理で理不尽、訳も分からぬまま逃げ惑う一夜を描いたパニック映画。悪いジョーダンとしか思えない恐怖とシュールなナイトメアを、撮影者の不安と動揺ぶりを象徴したかの如く激しく揺れるカメラ、唐突に建物が破壊され、自由の女神の首が空から降ってくるという驚愕、応戦する陸空軍の銃撃雨あられで、たちまち市街戦の真っ只中に取り残された臨場感と、セミ・ドキュメンタリータッチで綴られるノンストップの85分間です。
映画内当事者撮影映画として「ブレア・ウイッチ・プロジェクト」を想起させる試みで、こんなアプローチの仕方があったのかと思いますが、作り手の思惑は、飽くまで、場面毎のサスペンスとホラー描写のみに注がれているようで、科学的根拠の辻褄合わせをする事などまるで眼中にないので、そのご都合主義的展開共々ツッコミを入れながら観るのも一興だと思います。
正にイベント的で絶叫マシーンに乗る感覚で楽しめる映画だけに、青山真治の“劇場でなければ観る価値がない”との発言はもっともと思えるものの、コンセプトが、ヴィデオ・カメラ越しの映像であるだけに、TVモニターでの鑑賞こそ、反って楽しめるかも知れません。
  22 人中、15 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

アイディア賞!! : 魔法にかけられて 2-Disc・スペシャル・エディション(DVD)

魔法にかけられて 2-Disc・スペシャル・エディション
魔法にかけられて 2-Disc・スペシャル・エディション(DVD)

エイミー・アダムス,パトリック・デンプシー,ジェームズ・マースデン,ティモシー・スポール,イディナ・メンゼル,
発売日:2008/07/18

2008/6/6 一色町民ベスト22レビュアー

5点

お姫様の、現実世界でのテンポのはずし方が笑いのポイントで、お姫様は森のなかで動物たちと交歓し、彼らの手助けを得て、愛をふりまく存在。そのへんがセルフパロディ的に演出されています。

ロバートの幼い娘が路頭に迷うジゼルに手をさすのべ、ロバーツのアパートで一夜を過ごす。その朝乱雑なロバーツのアパートを見た彼女は早速、掃除を開始。窓をあけて一声かけると動物たちが集合する。ネズミ、ハト、そしてゴキブリまでも。このリアルな動物の手助けぶり、結構引いてしまうグロさもあり、面白い。

スーザン・サランドンが濃い悪役ぶり。最初、誰なのか分からなかったくらいのメークが凄いし、その魔女へのなりきりぶりもイイです。ジュリー・アンドリュースほか歴代のディズニーヒロインを演じた女優たちもチラリと出演しているらしいけど、ほとんど分かりませんでした。仮装舞踏会のシーンなのかな? DVDで確認するのもいいかも。

アイデアもさることながら、ディズニーのセルフパロディ満載でも、最後はきっちり感動的にロマンティックなハッピーエンドにまとめあげた、その手腕を賞賛すべきでしょう。
なお、エンドロールで、「ポップアップ絵本」仕立てで、その後の彼らを伝えるオマケシーンも楽しいですから最後まで観ましょう。
  6 人中、3 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

濃厚なラブ・サスペンス、うねるような官能の深淵に酔わされる。 : ラスト、コーション スペシャルコレクターズエディション(DVD)

ラスト、コーション スペシャルコレクターズエディション
ラスト、コーション スペシャルコレクターズエディション(DVD)

トニー・レオン,タン・ウェイ,ワン・リーホン,
発売日:2008/09/16

2008/6/2 hide-bonベスト65レビュアー

5点

「ラスト、コーション」は、久しぶりに映画らしい映画として堂々たる風格を持った作品、2時間40分もの上映時間が少しも気にならない濃厚なラブ・サスペンス、うねるような官能の深淵に惑溺、酔わされる事必至の傑作だ。
日中戦争時の日本占領下、抗日運動に身を捧げた若き女性が、ある使命を帯びて、傀儡政権の要人に近づく。アン・リーの圧倒的演出力はもちろんだが、とにかく、主演2人の魅力に心奪われる。母国を売り、傀儡政権下で権力を握る猜疑心の強い冷徹なイー役のトニー・レオンの、非情ながら瞬時に見せる人間的な弱さと情感も見ものだが、政情が混沌とし、謀略と策動が打ち寄せる激動の時代の大きな渦に自らも加担しながら、いつの間にか愛欲と大義の狭間で翻弄されてしまう主人公ワンチアチー役を見事に演じきった新人女優タン・ウェイの、激しく切ない美しさが素晴らしい。ラストの、自らの運命を全て受け入れたかのような決然さに満ちたその顔立ちが、今も脳裏に焼きついて離れない。
決して、政治的でも、饒舌な映画でもない。劇中流れる優美で叙情的なワルツと、心掻き乱される旋律のテーマ曲に併せ、ただただ、物語の重要な節々で見せる登場人物たちの微細な表情が、感情の揺らめきを実にスリリングかつエモーショナルに表している。
話題になったハードコア描写も含め、正に映画的な刺激に溢れた作品、必見!
  20 人中、16 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

この雰囲気はいいね : パリ空港の人々(DVD)

パリ空港の人々
パリ空港の人々(DVD)

ジャン・ロシュフォール,マリサ・パレデス,ラウラ・デル・ソル,ソティギ・クヤテ,ジェフ・コーエン,
発売日:2003/12/20

2008/6/1 recluseベスト66レビュアー

4点

後のアメリカ映画にも同じようなテーマの作品が作られたようですが、これがオリジナルでだったんですね。何といってもこの乗りがいいですね。主人公以外の登場人物は、コロンビア、ギニア、そしてエチオピアと国籍も異なるのですが、皆フランス語は流暢にあやつります。そして皆それなりの歴史に由来する現代の業を背負っています。しかし誰も決して状況の理不尽さに大げさに騒ぐのではなく、淡々としていて、どうしようもない現実を受け止めながらも、そこに創意工夫(improvisation)の余地を探しながら、現実の日々を「優雅に」すごしていく。本質的にはパリが理想の場所と仮構されているのですが、そのメッセージがアメリカ映画ほど押し付けがましくなく伝えられているのは、フランス映画です。最後は主人公の妻との離別が暗黙のうちに示唆されているようですが、これも「野暮」との決別ということなのでしょうか?作られた時代は1993年ですが、この時代はそういえばまだチェックイン時にタバコをくわえていた人ってまだいましたね。
  3 人中、2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

「ノーカントリー」の原点、コーエン兄弟の暗黒映画の傑作! : ブラッドシンプル/ザ・スリラー(DVD)

ブラッドシンプル/ザ・スリラー
ブラッドシンプル/ザ・スリラー(DVD)

フランシス・マクドーマンド,ジョン・ゲッツ,ダン・ヘダヤ,M.エメット・ウォルシュ,
発売日:2008/08/08

2008/5/31 hide-bonベスト65レビュアー

5点

オスカー受賞の「ノーカントリー」から遡る事25年、コーエン兄弟のデビュー作にして、低予算ながら随所にぞくぞくするような才気を窺わせるフィルム・ノワール。登場人物は4人、“夫と妻とその愛人と私立探偵”による反モラルで漆黒の裏切りの物語。
全編に沈鬱する悪意と背徳、胸クソが悪くなるような暴力描写、不気味な予兆、どんよりと拡がっていく恐怖と不安、緩やかな展開ながら、息苦しくなるほどの緊迫感で観る者に予断を許さない。サム・ライミに師事し、次作「赤ちゃん泥棒」で開花した地上を這い回るようなシェイキーカム手法と呼ばれるカメラの動きが用いられ、他にも、例えば、息も絶え絶えのマーティの奇妙な動きや、生き埋めにされた後の呻きもがく地べたの揺れ、自動車の後部シートにじんわりと滲み上がる血痕、壁ごしの銃撃での貫通した銃弾から射し込む孔光、と言った強烈な余韻を残すショットの数々。映画ファンなら、その鮮烈さとスタイリッシュさに惑溺される事確実。
タイトル名の「ブラッドシンプル」とは、頭がぼおっとする感覚、ハメットの「血の収穫」の一節から採ったと言う。主役の2人より、ダン・ヘダヤとM・エメット・ウォルシュが印象深い。
  4 人中、2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

S・ポラックを追悼し、氏の最高傑作に触れて欲しい。 : ひとりぼっちの青春(DVD)

ひとりぼっちの青春
ひとりぼっちの青春(DVD)

ジェーン・フォンダ,マイケル・サラザン,スザンナ・ヨーク,ギグ・ヤング,
発売日:2002/09/27

2008/5/27 hide-bonベスト65レビュアー

5点

冒頭、広大な大地を駆け巡る馬と戯れる少年の詩情溢れるシーンから一転、「夢の扉」が開くマラソンダンスの開催を煽る主催者の呼びかけを聞く青年。以下、ドラマは青年の過去、現在、そしてクライマックス以後の近未来の3つの時間軸が錯綜、連環する形で進んでいく。
この映画を初めて観たのは、高校時代、日曜洋画劇場でだ。アカデミー賞に多くノミネートされたジェーン・フォンダ主演作と言う位しか知識がないまま対峙したのだが、鑑賞後のやりきれなさと押し寄せてくる悲哀さに完全に打ちのめされてしまった。その後何度か見直しているが、初見時の虚無感と諦感は今も変わらない。
とにかく痛切で深い悲しみに満ちた物語である。大恐慌時代のカリフォルニアで、あるダンス大会が開かれる。優勝者には賞金1500ドルとハリウッドへの道。現状の最下層のうらびれた日常から抜け出したいと切願する人々が参加し、苛酷で絶望的なレースが始まる。明日の生活が、なんて生易しいものではない、人生そのものが懸かっているのだ。息を絶え絶えに踊り叫び踊り続ける果てに見えてくる嘘っぱちな現実。己の人生の安っぽさと生き続けていく事への虚しさ。アメリカンドリームの欺瞞さが痛烈に描かれる。
原作はホレス・マッコイの「彼らは廃馬を撃つ」(角川の文庫版の翻訳は常盤新平)。個人的に最も思い入れがあるアメリカンニューシネマの傑作、そして映画の見方を変えてくれた生涯忘れられぬ1本。シドニー・ポラックの悲報を聞き、どうしても、これだけは言っておきたかった。合掌!
  2 人中、1 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

溢れる詩情 : 潜水服は蝶の夢を見る 特別版【初回限定生産】(DVD)

潜水服は蝶の夢を見る 特別版【初回限定生産】
潜水服は蝶の夢を見る 特別版【初回限定生産】(DVD)

マチュー・アマルリック,エマニュエル・セニエ,マリ=ジョゼ・クローズ,アンヌ・コンシニ,パトリック・シュネ,
発売日:2008/07/04

2008/5/23 一色町民ベスト22レビュアー

5点

感動ドラマと聞くと重苦しい闘病記を想像しがち。だけど、全身麻痺の主人公の狭い視界に映し出される病室にすら詩情が溢れている。
カメラワークも斬新で効果的。ジャン=ドーの視界でカメラが使われ、主人公の視ているものがスクリーンに広がり、その表現手法に感嘆してしまう。我々も彼と共に私も潜水服を着せられて、海底へ沈められて、ただ闇に鳴り響く呼吸音に不安になり、ボンベの酸素が残り少なくなることに怯えるのだ。
でも彼は、決して悲嘆に暮れたりせずに、自分の置かれている状況を少しシニカルにユーモアさえ交え描写する。

21世紀の今では、目の動きとまばたきでキー入力が可能なパソコンがあるようですが、この時代の方法は、いたってシンプル。何度も何度もアルファベットが読み上げられ、そのたびにまばたきが繰り返される。その回数20万回以上!! 執念ともいうべき根気とあふれる思い。そして、それを支える献身的な人々。

やがてカメラが、車椅子やベッドの上から解き放たれて、羽をもって自由に飛翔する時、言いようのない高揚感に包まれる。失ってから気付く家族の(周囲の人も)愛、そして身体が動かなくても「記憶」と「想像力」で、表現し創造することができることの驚きと素晴らしさ。魅力的な登場人物とそれを演じる巧みな演者。

スクリーンに映し出される全てのカットが美しく、控えめだけれどその映像を引き立たせるオリジナル楽曲も、U2、トム・ウェイツなどの歌も胸にしみた。
  4 人中、2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

何とも言えない余韻を残す映画。 : ミスター・ロンリー(DVD)

ミスター・ロンリー
ミスター・ロンリー(DVD)

ディエゴ・ルナ,サマンサ・モートン,ドニ・ラヴァン,ヴェルナー・ヘルツォーク,
発売日:2008/08/08

2008/5/23 hide-bonベスト65レビュアー

5点

マイケル・ジャクソンに憧れ、焦がれ、いつしか「マイケル」としてしか生きられなくなってしまった、アイデンティティを見失い、日々ストリート・パフォーマーとして物真似をしながら“現実”を生きている“ひとりぼっち”の孤独な若者。これだけでも十分切ないのに、彼は養護施設の余興でマリリン・モンローのそっくりさんと出逢い、恋に落ち、彼女の導きで、スコットランドの森の中の古城を訪れる。そこには、世界中の著名人(もどき)たちがコミューンを築き、そこで彼らは、この世で最も魅惑的なショーを興行しようと夢想していた。
今作の略筋を知った時、こんなに痛切な物語はないなと感じた。そして、「ミスター・ロンリー」は、ボビー・ヴィントンの同名タイトル曲が情感過多に流れるオープニングから、全編予想通りの切なさと哀しさとおかしさと優しさに彩られたラブ・ストーリーに、唐突に登場する尼僧たちの“パラシュートなしの”スカイダイビングの奇跡の跳躍の数々を神の啓示として捉えた寓話が挿入された(しかも、結局この2つの異なる話は最後まで結び合う事はないのだ!)何とも人を食った不可思議で残酷ながら愛おしさに溢れたドラマだった。
チャップリンが、マドンナが、ローマ法王が、リンカーンが、ジミー・ディーンが、語り、歌い、踊る。
ニセモノ(似せもの)としてしか生の充足感を感じられない彼ら、その虚しくて滑稽な現実逃避の世界の裏にあるピュアで傷つきやすい感性たちに心が締めつけられる。
ハーモニー・コリン自身にとって最良にウエルメイドな逸品、彼が敬慕するヴェルナー・ヘルツォークとレオン・カラックスも出演している。
  6 人中、4 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

秘密基地ってやっぱり魅力的だよね(笑) : テラビシアにかける橋(DVD)

テラビシアにかける橋
テラビシアにかける橋(DVD)

ジョシュ・ハッチャーソン,アナソフィア・ロブ,ズーイー・デシャネル,ロバート・パトリック,ベイリー・マディソン,
発売日:2008/06/27

2008/5/22 一色町民ベスト22レビュアー

4点

子どもを意識しすぎた幼いファンタジーばかりで食傷気味のなか、大人の鑑賞に耐え得る豊かさがあります。
テーマは特に新しくはありませんが、「心の目を通して世界を見ることの大切さ」を現実と幻想の間を広げ過ぎることなく描いています。

子供社会の人間関係の縮図の見せ方が秀逸で、様々なエピソードを見せながら時に反撃に出てみたり、時に勝ち目のない戦はすまいと引き下がったり、そしていじめっ子が実は虚勢を張ってる弱い人間なのだ(いじめっ子にならざるを得なかった理由)等を上手く配置して、ただの子供から1つずつ「大人」への階段を上っていく心理を見せて行きます。

CGはあくまで慎ましく補助的に使われいて、ファンタジー描写をやり過ぎていないのもいい。主役はあくまで少年と少女だ。これが案外重要なことで、現実に沿ったストーリーなので、CGだらけの映像にしてしまっては、説得力がなかったかも。

ジェスを演じるジョシュ・ハッチャーソンは「ザスーラ」の頃を思うとオッサン化しているのが気にかかるものの、悪くはない。でも、ポイントは何と言ってもレスリー役のアナソフィア・ロブ。意地悪な役だった「チャーリーとチョコレート工場」とは別人のような魅力を発散。ちょっと、キーラ・ナイトレイに似ている美人で、『目ぢから』があるね。少女のもつ中性的な魅力に溢れ、豊かな表情もいいし、キュート。突飛なファッションも難なく自分のものにしていた。
ストーリー展開としては、なつかしモードでいると、話が急展開します。あとは、怒涛の泣きモード。(苦笑)
担任のちょっぴり意地悪っぽい先生が、ジェスに自分の体験を語るシーンや父親の思いなどに泣かされます。子供向けと見せかけて、実は大人向けのファンタジー。そして、「ヒューマン・ドラマ」でもありました。
  4 人中、2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

前作の汚名(?)返上の傑作 : Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!(DVD)

Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!
Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!(DVD)

ローワン・アトキンソン,エマ・ドゥ・コーヌ,マックス・ボルドリー,ウィレム・デフォー,カレル・ローデン,
発売日:2008/07/09

2008/5/22 一色町民ベスト22レビュアー

5点

イギリスの人気TVキャラクター“ミスター・ビーン”のトンデモ珍道中を描く劇場版第2弾となる爆笑コメディ。10年前の映画版はイマイチだったですが、本作はなかなか面白かったです。

ビーンは、ほとんど喋らないんですよね。一応、会話で笑わせるようなところもあるのですが、もっぱら、動きだけで笑わせるというか、純粋コメディ作りに好感が持てるし、クジで当たったビデオカメラという小道具の使い方(後述します)が素晴らしかった。
また、映画ファンなら、カンヌ映画祭におけるビーンの引っ掻き回しぶりに爆笑できる。監督ひとりよがりのゲージュツ映画にうんざりする観客の様子や、それでも一人悦に入る勘違い映画作家など、ありがちな風景が笑いを誘います。

カンヌに着くまでのドタバタに飽きてきたところに、カンヌに到着してからウィレム・デフォーというナルシストな映画監督という新たな役を投入するところが、なかなか巧いと思いましたよ。
道中、ビーンはビデオを取りまくりますが、ここで、彼の撮った映像が生きてきます。ここからクライマックスに向けて、短編ギャグの積み重ねのようだったこれまでの展開が、一気につながっていく。感動的なまでにパズルがうまくはまる爽快感。どんな風かは観てのお楽しみ。(笑)
ラストに近づくほど笑いの密度が上がって、そのままジ・エンドにもって行く力技には感服しました。 コメディのワクを超えて、これは傑作映画の1本になったと思います。
  8 人中、6 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

是非、子供に見せて欲しい : アース スタンダード・エディション(DVD)

2008/5/20 一色町民ベスト22レビュアー

4点

NHKの「プラネット・アース」で見た場面もありましたが、ハイビジョンカメラによる美麗な自然描写映像。ワンカットワンカット、どうやって撮影できたのかと驚嘆するような映像の凄さ!!大俯瞰で彼らの行動をとらえたかと思うと、ググッと彼らに接近する。演出不可能な動物の行動、その決定的瞬間をどうやっておさめたのか。気の遠くなるような時間と労力が掛かっていることが容易に想像できます。
ホッキョクグマの母子や乾季に水を求めて異動するアフリカゾウ、餌を求めて長い旅を続けるザトウクジラの親子などを軸に、多様な生命のありよう。

ただ、子シカを仕留めるヒョウのハンティングの様子。餌食になった子鹿など、動物たちの死の瞬間までは映さない。BBC製作ですから、あくまでも格調高い映像と演出。それはそれで悪くはありませんが、その学術的な装いが、妙に気取った感じもしないでもないですがね。(苦笑)  また、「皇帝ペンギン」や「WATARIDORI」といった、1個の生物にポイントを絞ったドキュメンタリーや、「ホワイトプラネット」のような、ある地域の定点的なドキュメンタリーとは違って、『地球』全体を対象にしているので、少々散漫な印象はしかたないかな。

最後に語られる『地球が危ない!!』とのメッセージは、アル・ゴア氏の「不都合な真実」と同じなのだけれど、ダメな部分だけでなく、今あるままの地球の美しさ、動物や自然の凄さを見せつけられると、さらに我々も何とかしなくてはいう気にさせられます。
是非多くの子供達に見て欲しいですね。そして我々の地球にでは、生き物が生を謳歌し、太陽の恵みを受けて豊で美しい自然が息づいているという事を知って欲しい。更に一歩進んで『地球環境を守る』事の必要性までを感じられるかは難しいかもしれませんが、これらの映像を頭に焼き付けておく事は重要だと思います。
  4 人中、2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

正に伝説の1本、祝!DVD化。 : 地球爆破作戦 (リクエスト・ムービー 第1弾)(DVD)

地球爆破作戦 (リクエスト・ムービー 第1弾)
地球爆破作戦 (リクエスト・ムービー 第1弾)(DVD)

エリック・ブレエドン,スーザン・クラーク,ゴードン・ピンセント,ウィリアム・スカーレット,
発売日:2008/08/07

2008/5/19 hide-bonベスト65レビュアー

5点

ジョセフ・サージェントは、70年代に2本の極めつけの傑作を残している。ひとつは、サスペンス映画として屈指の面白さを放つ「サブウェイパニック」。もうひとつは、「チャイナシンドローム」のジェームズ・ブリッジスの脚色を得て撮り上げたSFスリラーの「地球爆破作戦」。特に、今作は、全く陽の目を見る事なくスプラッシュ公開され、名画座でその面白さが口コミで広がっていった作品、今までヴィデオにすらなっていなかった映画ファン伝説の1本、いきなりの廉価化が嬉しい待望の初DVD化だ。
東西陣営の冷たい戦争未だ続く中、合衆国政府が創造したコンピューターシステム・コロッサス。感情に左右されず理性で対応し、憎悪も恐怖も迷いもなく正確に物事をジャッジするマシーンに国家の安全を委ねたその時、コロッサスが意思を持ち、敵陣営のソビエトの最新鋭コンピューターと交信し、疎通を謀り、人類を支配しようとする。映画の殆どが、研究所の中枢基地内で進行し、密室劇の様相。ドキュメンタリー・タッチで描かれるコロッサスとその製造者である博士たちとの丁々発止の頭脳戦と息詰まるサスペンスが面白い。核兵器の掌握を盾に、いっときの自由も許さず監視するコロッサスに対して、博士が取る奇策とは何か?そして、果たして人類は危機を脱し得るのか?映画が製作された70年、来る近未来の叡智と期待されたコンピューターへの絶対的信頼、神聖化がなされていた当時の背景と設定は、今観ると、手だれたものがあるが、戦争も貧困もなくなるユートピア世界の担い手としての存在が、コンピューター同士のコミュニケート、即ち“愛”=“感情”が生まれることで、人類にとって最強のモンスターになっていくのが何とも皮肉だ。
  17 人中、10 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

スピルバーグの映画オモチャ箱。 : 1941 (リクエスト・ムービー 第1弾)(DVD)

1941 (リクエスト・ムービー 第1弾)
1941 (リクエスト・ムービー 第1弾)(DVD)

ダン・エイクロイド,ジョン・ベルーシ,三船敏郎,ナンシー・アレン,ネッド・ビーティ,
発売日:2008/08/07

2008/5/18 hide-bonベスト65レビュアー

4点

やっと出ますか(笑)。一般的には、当時飛ぶトリを落とす勢いだった天才映画小僧スピルバーグが、一転敗北にまみれた壮大な失敗作との評価が強い映画だが、一部で根強い人気を持ったカルト作。待望の初DVD化だ。
真珠湾奇襲から次は本土攻撃か、との疑心暗鬼と不安に駆られるサンタモニカとロサンジェルスの人々のナイトメアな一日を群集劇コメディとして騒々しく描いているが、とにかく様々な要素がごった煮的に盛り込まれた作品。スラップスティック、スイング・ジャズ、SFXな戦闘シーンに、ボーイ・ミーツ・ガールが、オリーブをめぐってのポパイ&ブルートを連想させる三角関係になり、それが、ジルバ・コンテストを契機にしての町中大混乱。日本軍はアメリカの精神的支柱であるハリウッド壊滅に腐心し、同盟軍三船敏郎とクリフトファー・リーは互いの母国語で会話し、ブルース・ブラザーズの2人組はスーツならぬ軍服姿、ナンシー・アレンは飛行機フェチ、ロバート・スタックは「ダンボ」に涙し、ウォーレン・オーツは唸り声を上げ、清水宏は“HOLLYWOOOOOOD!!”と連呼し、戦車は自動車をアルミ缶を押しつぶすかの様にぺしゃんこにし、海岸沿いの民家は自爆?し、そして観覧車は橋を渡る(笑)、、、。正に破滅的なコメディ、存在そのものがオカシ過ぎるジョン・ベルーシーを除けば作り手の思惑ほどには笑えないし、完全版で陽の目を見たシーンはいかにも冗長だが、それらも全部ひっくるめて、スピルバーグの映画オモチャ箱とも言うべき賑やかさで、まるで、アメリカが拠点のファミレス店で、ヴァラエティに富んだ料理をまとめ食いしたような満腹感と胃もたれ感が味わえる。
  33 人中、20 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

ケヴィン・コスナーはじめ、「アンタッチャブル」カルテットの心意気に、胸熱くなる映画 : アンタッチャブル(通常版)(DVD)

アンタッチャブル(通常版)
アンタッチャブル(通常版)(DVD)

ケビン・コスナー,ショーン・コネリー,チャールズ・マーティン・スミス,アンディ・ガルシア,ロバート・デ・ニーロ,
発売日:2006/04/21

2008/5/17 ベスト78レビュアー

5点

 1930年代初頭のシカゴ。ギャングのドンとして君臨していた帝王アル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)の逮捕に向けて、特捜班「アンタッチャブル」のチームが徹底抗戦するストーリー。
 「アンタッチャブル」の四人、エリオット・ネス(ケヴィン・コスナー)、ジム・マローン(ショーン・コネリー)、ジョージ・ストーン(アンディ・ガルシア)、オスカー・ウォレス(チャールズ・マーティン・スミス)の結束力、チームワーク、心意気が、びんびん伝わってきて、清々しい気持ちに駆られました。

 スタイリッシュなセンスに貫かれた映像の、なかでも印象に残ったシーンがふたつ。
 新聞に叩かれて落ち込むケヴィン・コスナーが、帰宅途中の橋の上、初老の警官マローンに初めて会うシーン。気骨あるアイルランド系警察官を演じた長身、大柄なショーン・コネリーと、静かななかに熱い闘志を秘めたケヴィン・コスナー。「この男となら・・・」と、ふたりが互いを認め合う対話に、じんとしびれました。
 もうひとつ。ネスとストーンが、駅でギャング一味を待ち受けるシーン。いやが上にも緊迫感を高めるアイテムとしてここで重要な役割を担うのが、赤ちゃんの乗った乳母車。エイゼンシュテイン監督のクラシックな映画『戦艦ポチョムキン』、その「オデッサの階段」のシーンを彷彿とさせる名場面。このシーンがまた、実に見ごたえがあって素晴らしい。どきどきしました。

 唯一残念だったのが、エンニオ・モリコーネの音楽。大好きな作曲家なのですが、この映画に関してはやや期待ハズレかな。映画の雰囲気と微妙にズレている気がしたんですけれど・・・。

 ブライアン・デ・パルマ監督の1987年の作品。この監督の映画では、『キャリー』(1976)と並んで、お気に入りの一本になりました。
  6 人中、5 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

ゆっくりでいいから回復していこうよ、という希望 : 再会の街で(DVD)

再会の街で
再会の街で(DVD)

ドン・チードル,アダム・サンドラー,リヴ・タイラー,
発売日:2008/06/25

2008/5/16 一色町民ベスト22レビュアー

5点

アダム・サンドラーがマジにシリアスな役を演じるのを観るのは新鮮でした。メチャメチャ良かったです。風貌もちょっとボブ・ディラン風で。(笑)
彼が演じるチャーリーは、現実を完全に遮断している(しようとしている)。
周りの人々は、いつまでも前に進もうとしないチャーリーを見捨てて(?)しまおうとする。それで、彼はますます内向的になり、現実をまったく見ようとしなくなるという悪循環。

もともと素養はあったんでしょうが、LPレコードのコレクションもオタク的な生活もバリアーの一環なんでしょう。チャーリーの聞いている、その70年・80年代ロックがドラマのキーとなります。そのあたりも面白い。

恵まれた環境下にある様に見えるアランも、チャーリーに出会う事で、今ある生活の重みと妻子への感情を再考していきます。アランを演じるドン・チードルも自分の満たされない心の闇に向かい合う男を見事に演じています。誰かを思う事で自分も思われ、そして他の誰かへと波及していく...。

決して人を傷つける事は良しと出来ない。その一方でどうすれば人間は考え、そして本来の生き方を出来るか? という裁定の重み。またそれを取り巻く人間が誰かを助ける方法は決して一つではなく限りない可能性を残しえる事もまた、静かに語ってゆきます。
 
それから、思っていた以上にコミカルなシーンも結構あって、緊張をほぐしてくれますし、芸達者な豪華なキャストも見所です。精神科医役で花をそえたリヴ・タイラー。判事役のドナルド・サザーランドが渋くカッコイイです。
  7 人中、4 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

AVP3に大いに期待・・。 : AVP完全版 1&2 DVDダブルパック(DVD)

AVP完全版 1&2 DVDダブルパック
AVP完全版 1&2 DVDダブルパック(DVD)

スティーブン・パスカル,レイコ・エイルスワース,ジョン・オーティス,ジョニー・ルイス,
発売日:2008/05/02

2008/5/10 drivenベスト6レビュアー

5点

恥ずかしながら2を観た後に1を観たのですが・・・・。ハッキリ言ってストーリーライン
が大事というタイトルでもないのでどっちからでも良いかもです。

2の画面の暗さに関しネガティヴな感想を持つ方もいらっしゃるようですが、個人的には
この2の暗さ、怖いイマジネーションを駆り立てて好きです。1よりもずっと怖い!と
思ったのはやっぱり「見えないとこから突然に」という「基本」をおさえたからか!?
あと普通の街が舞台になったのも大きいのでしょうね。

メイキングのエイリアン俳優の種明かしは・・・ここまでバラすとイメージがっ。

AVP3はほぼ100%出るでしょうから、2の路線を踏襲してつくってほしいです。
  1 人中、1 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

ルーブル美術館の閉館時の「メンテナンス」の様子のドキュメンタリー : パリ・ルーヴル美術館の秘密(DVD)

パリ・ルーヴル美術館の秘密
パリ・ルーヴル美術館の秘密(DVD)

ドキュメンタリー映画,
発売日:2004/09/24

2008/5/9 nyベスト19レビュアー

4点

ルーブル美術館の閉館時の内部「メンテナンス」の様子のドキュメンタリー。
新たな展示場を作り上げてゆく様子、35万点の収集作品を「出庫」してゆく場面、
建物の正面にある名物のガラスピラミッドの窓ふきの様子などをほとんど解説、せ
りふなしの映像だけで次々に見せてゆく。

パリの美術館に行くと、非常に有名(かつ高価!)な作品が普通に飾っていること
に驚く。こんなに無防備で大丈夫なのだろうかと思うが、このドキュメンタリーで
も、絵を掛け替える作業中などでも結構無造作に絵を扱っている姿に驚く。
それはまるで、これだけの量と質の美術品を当たり前のようにそろえている豊かさ
の象徴でもあるのだろうかとさえ思えた。
  1 人中、1 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

ロマンと哀感と。 : フライボーイズ プレミアム・エディション(DVD)

フライボーイズ プレミアム・エディション
フライボーイズ プレミアム・エディション(DVD)

ジャン・レノ,マーティン・ヘンダーソン,ジェニファー・デッカー,ジェームス・フランコ,タイラー・ラビーン,
発売日:2008/03/21

2008/5/8 hide-bonベスト65レビュアー

4点

別に飛行機マニアと言うわけではないが、映画の中で複葉機が出てくるとワクワクしてしまう。それは、複葉機が大空を駆け巡る姿に、何ともリリシズムとロマンチシズムを感じてしまうからだ。今作は、第一次大戦時、名家の優等生、おちこぼれ、アウトロー、前科者、ボクサー出身の黒人といったステレオ・タイプの若者たちが、フランスの義勇軍に入隊し、ドイツと一戦を交えるお話。監督、脚本は、嗚呼懐かしや「スティング」の製作者と脚本家である。原題そのままのタイトルをもうちょっと何とかして欲しかったが、手馴れた作劇で、最後まで飽きずに観ることが出来た。
CG、ミニチュア、実写を織り交ぜたファイト・シーンはよく出来ているし、複葉機と飛行船との空中戦は、映画ならではの見せ場だと思う。レールの上に銃座を設置し、台を揺らしながら射撃練習をしたり、飛行機乗りがスカーフを首元に巻く意味について語られたりと演習シーンは興味深いし、敵側飛行士の騎士道精神やフランス女性とのメルヘンチックな純愛も描かれている。
しかし、今作で印象的なのは、勇壮なドラマの裏側に漂う、戦い毎に散っていく敵味方関係ない飛行士たちの命への儚いレクイエムだ。複葉機が持つ手触り感が、撃ち落されてくるくると旋回しながら墜落していく哀感を誘う。飛行機に乗って戦地に赴くこと、それは、機を落とすか落とされるか、言い換えれば、即ち、殺すか殺されるかと言う苛酷な事実が、否応なしに迫ってくる。
  8 人中、5 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

時代を超えて心を揺さぶられます : 追憶(DVD)

追憶
追憶(DVD)

バーブラ・ストライサンド,ロバート・レッドフォード,ブラッドフォード・ディルマン,
発売日:2007/01/24

2008/5/5 nyベスト19レビュアー

5点

およそ20年ぶりにこの映画を見ました。1回目に見たときはまだ学生でした。
いまになってこの作品を見ると、当然ながら感じ方が違います。何ともいえない
切ない気持ちがしたのは、たぶん前に見たときにはなかった感情なのではないか。

この映画はやはり最後のケイティーがニューヨークで原爆禁止の署名を集めて
いるとき、ハベルに離婚以来初めて会ったところが圧巻だ。このときの二人の
気持ちを想像すると、なぜだか心にじんとくるものがある。
  3 人中、2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

「カラフル」なミステリー : 8人の女たち デラックス版(DVD)

8人の女たち デラックス版
8人の女たち デラックス版(DVD)

カトリーヌ・ドヌーヴ,エマニュエル・ベアール,イザベル・ユペール,ファニー・アルダン,ヴィルジニー・ルドワイヤン,
発売日:2003/07/21

2008/5/4 nyベスト19レビュアー

4点

「絵」としてとてもカラフルなのは、舞台となった邸宅の内装の色調に加え、
登場人物がそれぞれとても個性的なファッションをしているからだろうか。
コメディータッチではあるが、ストーリーはミステリー。ただし、犯人捜し
が主なテーマなのではなく、犯人捜しの課程でそれぞれの家族が抱えている
さまざまな「欲」に裏付けられた秘密が露わになるところが主なテーマなの
だと思った。また、その秘密のその背景となる心情を吐露するシーンは
ミュージカルというアイデアもなかなか印象的だった。

特に、「変身」したあとのメイドのルイーズ(エマニュエル・ベアーズ)に
注目してみていた。
  1 人中、1 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
25件中 1件から20件までを表示 | 次のページ >