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外国映画

犬を道連れに、旅に出たくなる : ボンボン(DVD)

ボンボン
ボンボン(DVD)

フアン・ビジュガス.ワルテル・ドナード,
発売日:2007/10/26

2008/4/19 yukkiebeerNo.1レビュアー

5点


 アルゼンチン・パタゴニアに住む52歳のビジェガスは長年ガソリンスタンドの整備工として働いていた。しかし親会社の方針で勤務先が閉鎖されてしまう。娘一家に居候するものの居心地はよくない。ある日、車のトラブルで困っている女性を助けたことがきっかけで、一頭のドゴ・アルヘンティーノを譲り受ける。エサ代にも困る経済状況のビジェガスだが、このレ・チェンと名づけた犬がきっかけで彼の人生は少しずつ変化していく…。
 スペイン語の原題は「El Perro」(犬)。

 「ボンボン」は犬を道連れに、国家経済が苦境にあるアルゼンチンを東に西に往来する作品です。見ていて思い出したのは、70年代のアメリカ映画「ハリーとトント」という秀作です。あちらは猫を道連れにアメリカを横断する初老の男が主人公で、アメリカ社会の高齢化社会と家族のありかたを問う作品でした。
 どちらも旅を通じて、人は何かを学び、時に何かを捨て、一皮向けていく。たとえ老境の域にあっても、人間はいつも成長することが出来る。そんなメッセージが声高ではないけれども伝わってくる映画です。

 「ボンボン」でなんとも気弱な感じの中年男を演じるビジェガスの味がいいなぁと思っていたら、彼はなんとプロの役者ではないといいます。作品全体を通してずっと心もとなさそうに振る舞い続ける彼の姿は、演技じゃないのですね。

 この映画が最後の最後に用意している場面はなかなか興味深いものです。その詳細はここに記しませんが、ビジェガスの人生を今後切り開いていくであろうものが、犬の“ある野生”であることを高らかに謳っているその場面は、一定の人々には少々ショッキングかもしれません。私はその野生に力強さとほほえましさを感じ、大変好意的に解釈しましたが、そうではないという人もいるかもしれません。

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毒が薄まった!? : シッコ(DVD)

シッコ
シッコ(DVD)

マイケル・ムーア,
発売日:2008/04/04

2008/4/12 drivenベスト6レビュアー

4点

「ボウリング・・・」で突撃した故チャールトン・ヘストンがいい例ですが、
観ている側にどう考えても一方的すぎませんか、と思わせるようなムーア独特の
「毒」が本作品ではあんまり感じられなかったような。

徹頭徹尾、基本的人権に関わる話なのでそういう演出的作為を感じずに素直に
話に入っていけるのかもです。話題になったキューバの病院突撃も芝居がかってる
と感じる方も多かったでしょうが僕にはあまり抵抗は無かった。

世界の警察たる米国は新大統領のもとやっぱり「内向き」な方向に舵を切って
いくのでは・・・なんてことを考えざるを得ない米国の惨状。現代の姥捨て山の
ごとく、貧民街で「捨てられる」入院費を支払えない患者のシーンでは涙が出た。
ムーアのやり方には色んな意見がありますが、「社会正義」とは一体何なのか、
観た人は考えざるをえない、そんな映画。個人的にはムーアらしい毒々しさが
もっとあっても・・・ということで★4コにさせて頂きました。
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久々の良い映画を観ました。 : プラダを着た悪魔 (特別編)(DVD)

プラダを着た悪魔 (特別編)
プラダを着た悪魔 (特別編)(DVD)

アン・ハサウェイ,メリル・ストリープ,
発売日:2008/04/16

2008/4/5 sonojordanベスト26レビュアー

5点

アクション映画ばかり観ていた筆者には久々にサクセス・ストーリー系の良い映画を観たようにおもいます。
アンディーとミランダを取り巻く人々にただの助演俳優(女優)ではない「色」があることにとてもこの映画の良さがあるとおもいます。一流の俳優を揃えているからでしょうか。
パリの車中でのミランダとアンディーの会話や、最後のミランダの含み笑いなど次回作に繋がるような気配がありますが、この映画の雰囲気を壊さない良い映画をつくってほしいとおもいますね。
  2 人中、2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

2人の女性の魂のぶつかり合い : 4分間のピアニスト(DVD)

4分間のピアニスト
4分間のピアニスト(DVD)

モニカ・ブライブトロイ,ハンナー・ヘルシュプルング,スヴェン・ピッピッヒ,ヤスミン・タバタバイ,ヴァディム・グロウナ,
発売日:2008/06/06

2008/4/2 一色町民ベスト22レビュアー

5点

刑務所に服役中の天才少女ジェニーが主人公ながら、視点はピアノの老教師トラウデの側に置かれています。

二人の関係は、普通なら心のふれあいがテーマになりそうなものだが、二人は決して交わりません。寒々とした刑務所を舞台に、互いに別の場所に魂を置き去りにしてきているようだ。殺人の罪を着せられている人間が、そう簡単にピアノ教師に心を開くわけが無いわけで、そのほうがむしろ自然。その上で、少しずつ心を開いていき、互いに共感する部分も出てくる。そのあたりの描き方が上手い。
シューマンやモーツァルトのピアノ曲だけが二人をつなぐ。一瞬近づいたかと思うけれど、その分弾きあうように反発する二人。しかし、音楽という一点においてのみ共通言語を見出す。いや、それも違うかもしれない。「音楽に対する情熱」においてのみ理解し合える、と言った方がより適切か。

そして、話題になっているラストの4分間の演奏です。映画で“演奏の巧さ”を描くには、演出というかアイデアが必要なわけで、ピアノのプロからピアノのピの字も知らない人まで観ている人を『スゴイ!!』と思わさなければなりません。その意味では、その演出は大成功ですね。まぁ、ちょっと反則技ではありますが。
本当に弾きたいもの、自分の心からの叫びを音で表した後のジェニーの晴れ晴れとした表情は、これからの彼女の人生が変わっていくことを暗示しているし、感動させる。

実はこの作品、劇中シューベルトを弾いた木吉佐和美、ラスト4分の壮絶なジェニーの演奏シーンを実際に弾いた白木加絵という二人の日本人ピアニストが演奏に携わっているとか。
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“香港コメディーの傑作”の価値をさらに高めた、広川さんの名調子! : Mr.BOO!ミスター・ブー(DVD)

Mr.BOO!ミスター・ブー
Mr.BOO!ミスター・ブー(DVD)

マイケル・ホイ,サミュエル・ホイ,リッキー・ホイ,
発売日:2007/05/10

2008/3/17 しんのじベスト23レビュアー

5点

広川太一郎さんの訃報―2008年3月3日、死去―は、オレが自分で思った以上に大きな衝撃だった。その軽妙な芸風のせいもあってか、広川さんのような役者さんは長生きするものと、心のどこかで思っていたから。
そんな広川さんの最も知られている仕事のひとつが、ここに収められている吹替版音声(マイケル・ホイの声)。実はこれ、広川さんの芝居としては抑え気味な方なのだけれど、もとから面白く、軽くて猥雑で(ただの「下品」とは微妙に違う?)楽しくて、徹底的に笑わせてくれ、観れば元気になれる作品が、彼の名調子によってさらにパワーアップを果たしており、きっと観るだけで日本に生まれた幸せを実感できることうけあい。
監督・脚本・主演をこなしたマイケル・ホイ(許冠文)の弟で、兄と共に主演し、音楽も担当したサミュエル・ホイ(許冠傑)による自作自演で、公開当時、日本でもヒットした、一度聴いたら絶対に忘れられない主題歌の原題は、映画と同じ「半斤八両」。終盤に流れる、しみじみとした挿入歌「浪子心聲」は、テレサ・テンも―広東語のまま―取り上げている佳曲。
武術指導はサモ・ハン・キンポー、プロダクション・マネージャーはジョン・ウーがそれぞれ担当。『燃えよドラゴン』のラスボス、ハンを演じたおじさん=シー・キエンも、強盗団のボスで登場(声は次元大介の小林清志さん)。
ドルビー5.1chとdts5.1chで収録の原語版音声が、ムダにいい音なところもポイント。
オリジナル&新編集予告編など、映像特典あり。加えて、ドルビーのトレーラー(“遺跡”編)が、本編開始前に見られる。
ホイ三兄弟、そして広川さんからのナイスな贈り物に感謝しつつ、ここは笑って笑って、広川さんを明るくお送りしたいと思います。
広川さん、天国で社交マージャンを楽しんで下さいね。
どうか安らかに……。
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