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ミュージック

明確なパッセージにこの曲の構造が浮かび出す : ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Vol.6(第16~18番)(紙ジャケット仕様)(ミュージック)

2008/6/17 voodootalkベスト8レビュアー

5点

ピアノ・ソナタ第16番 Op.31-1が1971年8月、1973年5月 トロント、イートンズ・オーディトリアム、ピアノ・ソナタ第17番 Op.31-2 『テンペスト』が1967年1月 ニューヨーク、コロムビア30番街スタジオ&1971年8月 トロント、イートンズ・オーディトリアム、ピアノ・ソナタ第18番 Op.31-3が1967年3月10日 ニューヨーク、コロムビア30番街スタジオで録音。グールド51枚目のアルバム。

グールドの著書等でのベートーヴェンのピアノ・ソナタのコメントをまとめると最も評価していると言っているのは第15番の『田園』ソナタで、最も酷評しているのが第23番の『熱情』ソナタなことは有名だ。グールドは曲の構造を徹底的に解析した上で演奏に取り組んでいるので『熱情』は構造がつまらないと言っているのと同じことになるだろう。第29番の『ハンマークラーヴィア』では、「鏡に映すと右手と左手がそっくり一緒になるパッセージが第4楽章にあり、確実に意図的だ」という指摘までしている。そういう中でこの作品31の一群のソナタも同様に気に入っていたように感じられる。

僕が最もグールドらしいな、と感じるのは第18番の第2楽章である。明確なパッセージにこの曲の構造が浮かび出す。まさにグールドの真骨頂だ。
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せつない気持ちをますます盛り上げてくれる : 「魔王」オリジナル・サウンドトラック(DVD付)(ミュージック)

「魔王」オリジナル・サウンドトラック(DVD付)
「魔王」オリジナル・サウンドトラック(DVD付)(ミュージック)

サントラ,パク・ハクキ,オム・テウン,JKキム・ドンウク,ボビー・キム&ブガ・キンズ,ノウル,キム・ジョンウン,
発売日:2007/11/21

2008/6/16 voodootalkベスト8レビュアー

4点

韓国では2007年2月リリースされた『魔王』のサントラ盤。韓流の作品の多くがそうであるようにこの『魔王』も音楽が実にステキだ。特に以外なのはこの作品の主役の一人、オム・テウンが歌っているのだが役とは違った感じなことだ。なかなか上手い。

時々、キム・ジョンウンの作ったタイトル曲『魔王』のフレーズが頭に残って離れなく人も多かったりするかも・・・知れない。
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グールドにディアベッリのない謎 : Beethoven: Bagatelles, Opp. 33 & 126(ミュージック)

2008/6/16 voodootalkベスト8レビュアー

5点

1966年11月8日から1974年6月23日にかけて録音。 グールド54枚目のアルバム。
グールドが残したベートーベンの変奏曲の演奏は以下の3つしか公式にはない。

・32 Variations in C Minor for Piano on an original theme, Woo 80
・6 Variations in F Major for Piano on an original theme, Op. 34
・15 Variations with Fugue in E-flat Major Op. 35

そうグールドには不思議なことに『ディアベッリ』がない。ご存知の方も多いと思うが、『ディアベッリ』はバッハの『ゴルトベルク変奏曲』と並び称される作品である。1823年、ベートーベンが52才の時の作曲で大作『ミサ・ソレムニス』を作曲中で、32あるピアノ・ソナタの作品109から111を書き上げた後にあたりこの曲の作品番号は120となっている。これがないというのはこの曲がグールド向きであるが故に大きな謎だ、とこのアルバムを聴きながら思う。

そしてバガテル。これぞまさにグールドの真骨頂と言える演奏だ。バガテルとは『つまらないもの、ちょっとしたもの』という意味の小品のことである。ベートーベンのイマジネーションはこの小品ではずっと自由になっている。グールドはそれを楽しみながら弾く。いろいろ考えさせてくれる作品だ。
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バーンスタインというアニキ : Beethoven: Concerto No. 4 in G Major(ミュージック)

2008/6/16 voodootalkベスト8レビュアー

5点

1961年3月20日 ニューヨーク、マンハッタン・センターにて録音。グールド12枚目のアルバム。

グールドのベートーヴェン・ピアノ協奏曲の録音は、1957年4月9-11日 ニューヨーク、コロムビア30番街スタジオでのバーンスタインとの第2番に始まり、2→1→3→4→5の順に録音され、2・3・4番をバーンスタインと録音している。僕は3曲をバーンスタインと録音したのはバーンスタインに配慮して録音をしたのだろうと思っている。実際は第1番を録音したヴラディーミル・ゴルシュマンと組んだ方がよりよい結果が出たような気がするのに、何故グールドがそうしたか。それはオーストリアやドイツの名門オーケストラに対抗しアメリカにそれ以上の演奏ができるオーケストラを育てようとアメリカの音楽界を創造していった若きマエストロに一役かいたいと思ったからだろう。

クレーメルの『琴線の触れ合い』にも冒頭にバーンスタインは登場する。内気に見えるクレーメルを励ます姿はまさにクラシック界の『アニキ』とも言える存在だったのがよく分かる。そしてここでのグールドの演奏はどこかそういうアニキに花を持たしてやりたいという配慮を感じるのだ。今ではアメリカのオーケストラはヨーロッパの古豪に負けない実力を有しているが、当時のバーンスタインはまるでトスカーナワインをカリフォルニアで実現しようとした『バッチオ・ディヴィーノ』だったのだ。正に創世記の音だ。
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ファンキーでジャジーでヒップでホップなオーガニック・サウンド : スーパーヒーロー・ブラザー(初回生産限定盤)(DVD付)(ミュージック)

スーパーヒーロー・ブラザー(初回生産限定盤)(DVD付)
スーパーヒーロー・ブラザー(初回生産限定盤)(DVD付)(ミュージック)

G・ラヴ&スペシャル・ソース,
発売日:2008/06/11

2008/6/16 ペニーレインベスト29レビュアー

5点

ファンク、ジャズ、ソウル、ブルース、ヒップホップを取り入れたオーガニック・オルタナティヴ・ロック・サウンド。彼らのキャリアのなかでは、いちばんメロウなんだけど、ポップなアルバムですね。やはり音楽的な力量では、盟友ジャック・ジョンソンよりも数段上だな、と思いました。
日本盤ボーナストラック二曲もとてもいい、と思います。
DVDは、前作『レモネード』までのPV集。「コールド・ビヴァレッジ」、「キッス&テル」、「ブーティー・コール」、「ホット・クッキン」の4曲で、計約14分。やっぱりいちばん古い「コールド・ビヴァレッジ」が、これから何かが始まる予感でいっぱいで、衝撃的です。
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『風の歌を聴け』で「僕」が鼠の誕生日に送ったアルバム : Beethoven: Piano Concerto No. 3 in C minor(ミュージック)

2008/6/15 voodootalkベスト8レビュアー

5点

1959年5月4,5,8日 ニューヨーク、コロムビア30番街スタジオにて録音。グールド8枚目のアルバム。相方は第2番と同じバーンスタインである。

第2番の時はグールドにしては珍しく非常に緊張していた感じがあったが、本作では本来のグールドに戻り、リラックスした演奏をしている。それはこの少し前の1958年4月29,30日に同じニューヨーク、コロムビア30番街スタジオで第1番をヴラディーミル・ゴルシュマンと録音して、それが改心の出来映えだったことが関係あると思う。自作のカデンツァまで披露した第1番はそれだけ協奏曲を弾くグールドのヒントになったということだろう。

余談だが村上春樹の音楽に充ち満ちたデビュー作『風の歌を聴け』で「僕」が鼠の誕生日に送ったアルバムがこのLPレコードだった。聴く耳を持った作家は実に少ない。特に最近の作品でまともに音楽が登場する作品は皆無に等しい。その中でデビュー作でこのアルバムを選ぶあたりはさすが村上春樹だ、と思う。
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別世界の『皇帝』 : Beethoven: Emperor Concerto(ミュージック)

2008/6/15 voodootalkベスト8レビュアー

5点

1966年3月1・4日、ニューヨーク、マンハッタン・センターで録音。グールド24枚目のアルバム。グールドは最後にこの『皇帝』を録音しているが前回の第4番と約5年のスパンがあり、なおかつ指揮者もストコフスキーに変えるなど、思うところがあった感触がある。グールドとストコフスキーがお互い眼を合わさないジャケットは特に有名でお互いにシャイだったから、とされている。

日本語版のライナーは朝比奈隆が『グールドの思い出』と題する一文を寄せていてなかなか興味深い内容だ。まだコンサートをしていた1950年代後半の話で1958年11月19日にイタリアで共演したらしい(!!!)。曲はベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番。その時も相変わらずのグールドであったようだ。

さてこのアルバムのグールドだが、わざとスピードを上げずに演奏している気がする。一音一音つまびらかにされる解釈は曲の構成を見事に浮き上がらせ、この曲はこういう構造であったかと思わせてくれる。別世界の『皇帝』だ。人が速く弾けばスピードを落とし、人がゆったりと弾けば快速豪弾で弾き抜く。そこに多くのものが浮き出してくることにワクワクするのだ。
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鳴っているか鳴っていないか感じられないくらい小さな音で聴いてみるのもいい : Grieg・Bizet・Sibelius:Piano Works(ミュージック)

2008/6/15 voodootalkベスト8レビュアー

5点

元々は、グールド46枚目のアルバムとしてグリーグとビゼーが単独で出ていて、シベリウスの方は1976年12月、1977年3月 トロント、イートンズ・オーディトリアムで録音。グールドの62枚目のアルバムで、ソナチネ Op.67-1、-2、-3、『キュリッキ』 Op.41などを取り上げている。グールドのアルバムにしてはなんとなくエコーが自然かかったような余韻がある。

その余韻に満ちた静かな静かなピアノが実にいい。音量を低めにして聴くとなんとなく部屋に染みこんで、ブライアン・イーノのアンビエントな作品を聴いているような錯覚に陥ってしまう。鳴っているか鳴っていないか感じられないくらい小さな音で聴いてみるのもいいかもしれない。

シベリウスの曲はこんな小さな曲でもフィンランドの風景を何処か感じさせてくれる。
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静かな自然の中での研ぎ澄まされた孤独な感情 : 武満徹:MI・YO・TA(ミュージック)

武満徹:MI・YO・TA
武満徹:MI・YO・TA(ミュージック)

石川セリ,
発売日:2006/10/18

2008/6/15 チェコもんが最高ですわな。ベスト101レビュアー

5点

昔、NHKでドキュメンタリー番組があって、武満さんの奥さんがアルプスの山荘にギターの壮村さん、谷川俊太郎、小室等を集めて、武満さんの想い出を語るような番組がありました。20世紀の年寄りのわては、その山荘でギターで弾かれた
「森のなかで」と「MIYOTA」の静かな自然の中での研ぎ澄まされた孤独な感情、に心打たれました。

ほいでほれから、前者は鈴木大介氏の武満ギター作品集成というアルバムで愛聴して居るんですけども、「MIYOTA」の方は、これまた独特のエキゾチックな、怜悧ながら豊かな感じのする石川セリさんのお歌の方も、山荘での荘村さんのギター伴奏に負けず劣らず、根底にある冷めた、内向的な武満さんの心情描写がよう表現されとる。武満さんが音楽ジャンルにエエ、悪いはない、といわれとったのが分かる録音。

シャンソン風で、武満さんには珍しく濃密な感じのする「燃える秋」、限りなき自由を歌った伸びやかさが心地よい「翼」「小さな空」は作詞も武満さんがやられとる。ベートーヴェンやマーラーが歌曲の歌詞の一部を捕作したのに通じますわな。

「死んだ男の残したものは」、は歌詞の社会性が鋭く、現代にも通ずる。できればエエ再生装置で聴いていただきたいミニアルバムですわな
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無調の歌をグールドのピアノはリリカルに奏でる : The Glenn Gould Edition HINDERMITH: DAS MARIENLEBEN・KRENEK・STRAUSS: LIEDER(ミュージック)

The Glenn Gould Edition HINDERMITH: DAS MARIENLEBEN・KRENEK・STRAUSS: LIEDER
The Glenn Gould Edition HINDERMITH: DAS MARIENLEBEN・KRENEK・STRAUSS: LIEDER(ミュージック)

Glenn Gould,Roxolana Roslak,Patricia Rideout,Lois Marshall,
発売日:1995/06/29

2008/6/14 voodootalkベスト8レビュアー

5点

『マリアの生涯』 (1922-23)1976年11月、1977年1,2月 トロント、イートンズ・オーディトリアムで録音。グールド63・64枚目のアルバム。ソプラノは、ロクソラーナ・ロスラック。

『マリアの生涯』 はリルケ(1875-1926)の連詩『聖母マリアの生涯』に無調で歌曲に仕上げた作品だ。グールドのディスコグラフィを調べればすぐに分かることだが、グールドが偏愛した作曲家が三人いると僕は思う。一人は当然バッハだ。そして二人目はシェーンベルグ、三人目がこのヒンデミットだ。おそらくグールドはピアノが絡む全作品を自らの手で形にしたかったのだ。この歌曲もその一環だろう。

無調にこだわるヒンデミットでありながらこの曲は実に『歌』がある。聴いていて何となくシェーンベルグの『月に憑かれたピエロ』を思い出した。あの曲も物語的な『歌』がある。そして無調の歌をグールドのピアノはリリカルに奏でる。他のどのアーティストからも聴くことができない経験ができる名盤である。
  3 人中、3 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

タイトルはクサいが、中身は聴かせるぞ!! : 純~21歳の出会い~ヘイリー・ミーツ・ジャパニーズ・ソングス-デラックス・エディション(初回限定盤)(ミュージック)

2008/6/14 hide-bonベスト65レビュアー

4点

今や音楽業界の中で、ひとつのジャンルとして確立された感のあるカバー・アルバム。さすがに、食傷気味の気もするが、かつて「アメイジング・グレイス」でブレイクしたヘイリーが、キラ星の如く輝く日本のシンガーたちの名曲の数々を英詩で歌っているのに興味を覚えたのと、やはり本田美奈子とのコラボが聴きたくて購入した。
収録されているのは、「アメイジング・グレイス」と10のカバー曲。もともと、美しく透き通るようなソプラノ・ヴォイスだけに、「ハナミズキ」や「雪の華」、「千の風になって」は見事に填まる。「翼をください」や「卒業写真」は、赤い鳥やハイ・ファイ・セットのリード・ヴォーカルとして、かってこの曲を歌っていた山本潤子の歌声がちょっと甦ってくるし、「白い色は恋人の色」にいたっては、オリジナルのベッティ&クリスより日本語のイントネーションが上手いし、実に懐かしい。
そして、英詩について触れると、これが意外なほど違和感がない。オリジナルの楽曲たちがどれも繊細で情感的な日本語の機微を生かした味わい深い歌詞なんだけど、英詩は敢えて意訳に走らず、原語の言葉尻を残している。中学の英語の教材にも使えそうな明瞭さで好感を持った。
夭折した記憶も新しい本田美奈子とのハーモニーは、暫し時間が静止してしまったような感覚に捉われ、安寧と静寂の世界に誘ってくれる。ヘイリーの歌唱力の素晴らしさはもちろん、併せて、若くして散ってしまった本田の才能を惜しまずにはいられない。
  12 人中、9 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

無調のフーガ : Hindemith: The Complete Sonatas for Brass and Piano(ミュージック)

2008/6/13 voodootalkベスト8レビュアー

5点

ホルン・ソナタ (1939)を1975年7月3,5日に、バス・チューバ・ソナタ (1943)(1955)を1975年9月3,4日に、トランペット・ソナタ (1939)を1975年1月6日に、ホルン・ソナタ (1943) を1976年2月9,10日に、トロンボーン・ソナタ (1941)を1976年2月22,23日にいずれもトロント、イートンズ・オーディトリアムで録音。グールド56枚目のアルバム。

グールドのディスコグラフィを調べればすぐに分かることだが、グールドが偏愛した作曲家が三人いると僕は思う。一人は当然バッハだ。そして二人目はシェーンベルグ、三人目がこのヒンデミットだ。おそらくグールドはピアノが絡む全作品を自らの手で形にしたかったのだ。

では、グールドはヒンデミットのどこにここまで惹かれたのだろうか。僕はヒンデミットの一つの中心音の調的な支配力のもとで、斬新な和音や半音階を駆使する作法だと思う。特に有名な、12のフーガからなるピアノ曲『ルードゥス・トナーリス』に使われている音列は、基音Cから徐々に不協和となる、と言う構造を持ち(C-G-F-A-E-Es-As-D-B-Des-H-Fis)、彼のこのような理論が典型的に示されている。それは『無調のフーガ』とも言えると思う。このフーガにグールドは現代のフーガを感じたのではないか、と思う。すばらしい演奏だ。
  5 人中、4 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

第3番の最終楽章のフーガ。このフーガにグールドは現代のフーガを感じたのではないか : Glenn Gould Plays Hindemith's Piano Sona(ミュージック)

2008/6/12 voodootalkベスト8レビュアー

5点

ビアノ・ソナタ第1番が1966年10月13日 ニューヨーク、コロムビア30番街スタジオ、第2番が1966年12月、1967年1月 ニューヨーク、コロムビア30番街スタジオ、第3番が1973年2月18日 トロント、イートンズ・オーディトリアムで録音。完成までに6年余の試行錯誤を経ている。

グールドのディスコグラフィを調べればすぐに分かることだが、グールドが偏愛した作曲家が三人いると僕は思う。一人は当然バッハだ。そして二人目はシェーンベルグ、三人目がこのヒンデミットだ。ヒンデミットについては、単にこのピアノ・ソナタにとどまらず、ホルン・ソナタ (1939)を1975年7月3,5日に、バス・チューバ・ソナタ (1943)(1955)を1975年9月3,4日に、トランペット・ソナタ (1939)を1975年1月6日に、ホルン・ソナタ (1943) を1976年2月9,10日に、トロンボーン・ソナタ (1941)を1976年2月22,23日にいずれもトロント、イートンズ・オーディトリアムで録音している。これは尋常ではない。

では、グールドはヒンデミットのどこにここまで惹かれたのだろうか。僕はヒンデミットの一つの中心音の調的な支配力のもとで、斬新な和音や半音階を駆使する作法だと思う。特に有名な、12のフーガからなるピアノ曲『ルードゥス・トナーリス』に使われている音列は、基音Cから徐々に不協和となる、と言う構造を持ち(C-G-F-A-E-Es-As-D-B-Des-H-Fis)、彼のこのような理論が典型的に示されている。そしてこのピアノ・ソナタ第3番の最終楽章のフーガ。このフーガにグールドは現代のフーガを感じたのではないか、と思う。すばらしい演奏だ。
  6 人中、5 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

K2HD(K2 High Definition)マスタリングされたオールタイム・ベスト : アルティメイト・ベスト(ミュージック)

アルティメイト・ベスト
アルティメイト・ベスト(ミュージック)

シャカタク,アンディ・ロス,アル・ジャロウ,
発売日:2008/06/04

2008/6/12 ゴルゴ十三ベスト67レビュアー

5点

デビュー作(1981)から最新作(2007)まで網羅したオールタイム・ベスト(日本独自企画盤)。日本でよく耳にする代表曲は ほぼ網羅していて、Shakatak初心者にもオススメできます。「グレイテスト・ヒッツ」とは違い、フルバージョンを収録。音質も”グ〜!”(親指をグッと突き出します(笑))

Disc.1
1.NIGHT BIRDS, 2.INVITATIONS, 3.CLIMBING HIGH, 4.DREAMTIME, 5.PARADISE, 6.SEA DREAMIN', 7.LOVELY DAY, 8.CITY RHYTHM, 9.DEJA VU (TO THE WIND), 10.NOTHING BUT A DREAM, 11.STREETWALKIN', 12.GOLDEN WINGS, 13.DARK IS THE NIGHT, 14.LIVIN' IN THE UK, 15.BRAZILIAN LOVE AFFAIR, 16.ONE DAY AT A TIME

Disc.2
1.LET'S START OVER AGAIN, 2.SUNSHINE, 3.CATWALK, 4.ALL BECAUSE OF YOU, 5.WITHOUT YOU, 6.NIGHT MOVES, 7.DAY BY DAY (DUET WITH AL JARREAU), 8.SUMMER OF LOVE, 9.JAZZ CREEPIN', 10.STEVELAND, 11.LOW DOWN, 12.EASIER SAID THAN DONE, 13.BEAUTIFUL DAY, 14.DOWN ON THE STREET, 15. THE NIGHT AIN'T OVER YET, 16.ONE FOR THE BOYZ, 17.MR.MANIC & SISTER COOL, 18.PARADISE GARDEN
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2楽章の叙情的美しさに雑念をもったわての心が見事に清められましたがな : ブルックナー:交響曲第2番(ミュージック)

ブルックナー:交響曲第2番
ブルックナー:交響曲第2番(ミュージック)

ウィーン交響楽団,
発売日:1994/12/14

2008/6/12 チェコもんが最高ですわな。ベスト101レビュアー

5点

ジュリーニ先生のブルックナーいいますと、先生が晩年に差しかかる1980年代のウィーンフィルとのダイナミックな構築美がゴツい7〜9番がまず浮かびますけども、この2番はウィーン交響楽団との1974年録音です。叙情的な解釈が素晴らしく、特に2楽章の叙情的美しさは筆舌に尽くし難い。どういうわけなんでしょう、ここんところ、何かと暗澹たる気分になっておったんですが、この演奏を聴くと心が清められ、雑念の無い人間に清めてもらえた気がいたします。

当時の楽員が演奏しながら感動してしまって、譜面やジュリーニ先生の指揮が涙で見えんようになった、というのがよう分かりますわな。

録音も最近のSACD等には及ばないものの、年代の割には悪くない。ジュリーニ先生のファンはもちろん、余り知られていないこのブルックナーの曲を聴くには極めつけの圧倒的名盤と考えます
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2楽章の叙情的美しさに雑念をもったわての心が見事に清められましたがな : ブルックナー:交響曲第2番(ミュージック)

ブルックナー:交響曲第2番
ブルックナー:交響曲第2番(ミュージック)

ウィーン交響楽団,
発売日:1998/12/09

2008/6/12 チェコもんが最高ですわな。ベスト101レビュアー

5点

ジュリーニ先生のブルックナーいいますと、先生が晩年に差しかかる1980年代のウィーンフィルとのダイナミックな構築美がゴツい7〜9番がまず浮かびますけども、この2番はウィーン交響楽団との1974年録音です。叙情的な解釈が素晴らしく、特に2楽章の叙情的美しさは筆舌に尽くし難い。どういうわけなんでしょう、ここんところ、何かと暗澹たる気分になっておったんですが、この演奏を聴くと心が清められ、雑念の無い人間に清めてもらえた気がいたします。

当時の楽員が演奏しながら感動してしまって、譜面やジュリーニ先生の指揮が涙で見えんようになった、というのがよう分かりますわな。

録音も最近のSACD等には及ばないものの、年代の割には悪くない。ジュリーニ先生のファンはもちろん、余り知られていないこのブルックナーの曲を聴くには極めつけの圧倒的名盤と考えます
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2楽章の叙情的美しさに雑念をもったわての心が見事に清められましたがな : Bruckner: Symphony No. 2(ミュージック)

2008/6/12 チェコもんが最高ですわな。ベスト101レビュアー

5点

ジュリーニ先生のブルックナーいいますと、先生が晩年に差しかかる1980年代のウィーンフィルとのダイナミックな構築美がゴツい7〜9番がまず浮かびますけども、この2番はウィーン交響楽団との1974年録音です。叙情的な解釈が素晴らしく、特に2楽章の叙情的美しさは筆舌に尽くし難い。どういうわけなんでしょう、ここんところ、何かと暗澹たる気分になっておったんですが、この演奏を聴くと心が清められ、雑念の無い人間に清めてもらえた気がいたします。

当時の楽員が演奏しながら感動してしまって、譜面やジュリーニ先生の指揮が涙で見えんようになった、というのがよう分かりますわな。

録音も最近のSACD等には及ばないものの、年代の割には悪くない。ジュリーニ先生のファンはもちろん、余り知られていないこのブルックナーの曲を聴くには極めつけの圧倒的名盤と考えます
  1 人中、1 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

クレーメルの意思を示す最初の一歩 : Edition Lockenhaus, Vol. 1/2(ミュージック)

2008/6/11 voodootalkベスト8レビュアー

5点

録音はいずれもロッケンハウス音楽祭にて1981・1982・1984年のものから録られている。ギドン・クレーメルが1981年に始めたロッケンハウス音楽祭は、毎夏オーストリアにて室内楽の音楽フェスティバルを開催しているものだ。彼の著書『琴線の触れ合い』の中に詳細が出てくるが、クレーメルは自ら演奏したいもののためにこの音楽祭を始めたらしい。言ってみれば商業主義と無関係な状況で自らがやりたいと思う音楽をやりたいメンバーとやるという意思表示だ。ECMのマンフレート・アイヒャーがそれをジャズと同様にアーティストの意思のまま見事な録音で残している。

前述の『琴線の触れ合い』の中で散々出てくるのだが、特にアバドとやった『四季』のレコーディングではグラモフォンともアバドとも意見がまったく合わず、クレーメルは辟易したらしい。そういうビッグ・ネームの組み合わせだけに注力し、アーティストの自由意思に背を向ける商業主義のアンチ・テーゼがこのアルバムということになる。録音メンバーには旧友のオレグ・マイセンベルグだけでなく、重鎮アロイス・コンタルスキーなど様々な面子が加わっていて実に面白い。

そしてこのアルバムは、CD1がフランスものを、CD2がロシアものを取り上げるように意図的にできていてまた面白い。特に名演はストラヴィンスキーの『兵士の物語・・・』だと思う。クレーメルの意思を示す最初の一歩だ。
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売れ線 : 泣かないで(DVD付)(ミュージック)

泣かないで(DVD付)
泣かないで(DVD付)(ミュージック)

羞恥心,
発売日:2008/06/25

2008/6/10 fumi_oベスト69レビュアー

4点

 やはり「企画モノ」ですから「売れ線」で行きますね。時代の流れなのかリリース期間が短い。
 何時の時代にも「企画モノ」ってあるし「企画モノ」に対して「日本の音楽のクオリティ」も何も無いだろうと想う(勿論彼らにクオリティがないとは言っている訳ではない)。勿論「企画モノ」でも人気だけではヒットには結びつかない事も確かである。
 彼らは一生音楽でやっていくわけでもないし、むしろ彼らよりもド下手な歌うたって「アーティストです」といっている自称「歌手たち」のほうが問題じゃない?
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未来に向けて羽ばたく音楽。本当にかっこいいです : 生と死の幻想(ミュージック)

生と死の幻想
生と死の幻想(ミュージック)

キース・ジャレット,
発売日:2003/04/23

2008/6/9 ベスト78レビュアー

5点

◆第1曲:生と死の幻想(22:52)・・・・・・冒頭、ジャングルあるいは砂漠の大自然の中に、突然たたずんでいる気分に駆られるパーカッシブな音楽。エキゾチックで虚無的なムードに、まず、魅了されました。デューイ・レッドマンが奏でるテナー・サックスの気だるげで、ムーディーなサウンドがいいですね。
 そして、19分15秒あたりからはじまる、ピアノとサックス、ドラムスの三位一体、ギアチェンジした音楽が徐々にヒートアップしてラストへとなだれ込んでいくあたり、本当にかっこよくて、ぞくぞくしました。

◆第2曲:祈り(10:12)・・・・・・静けさの中に、豊かな音楽の芽吹き、新しい未来への予感のようなものを感じる曲。4分9秒からのキース・ジャレットのピアノに、どきどきしました。

◆第3曲:グレイト・バード(8:45)・・・・・・デューイ・レッドマンのテナー・サックスが、パーカッシブなサウンドにすっと溶け込んでいくところ。いいですねぇ。惚れ惚れしました。

 1974年10月9日と10日、ニューヨークでの録音。
 奇跡のように美しいキース・ジャレットの即興演奏『ケルン・コンサート』が生まれるのは、この録音の3ヶ月後です。
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